椀名条山、根本山 根本山
群馬県みどり市、桐生市、栃木県鹿沼市
椀名条山(1,059m)、氷室山(1,123m) 、十二山(1,143m)、根本山(1,199m)
【登山日】 2009年 1月12日
【登山コース】
黒坂石[7:55]→椀名条山[9:14]→氷室山[10:24]→十二山[11:20]→[11:32]十二神社[11:54]→根本山[12:09]→黒坂石分岐[12:45]→林道[13:02]→黒坂石[13:47]
この時期に登る山は、例年地元の子持小野子、榛名、赤城と西上州そして渡良瀬のいずれかになる。以前には奥武蔵や奥多摩にも出かけてみたが、アクセスが大変で、その上人が多く、あまり好きになれなかった。ではどこにしようかと考え始めるとどこも登った事があり、新鮮味に欠けるので選定に困る。本当に面倒になると子持山か鍋割山へ出かけるのだが、今回はもう少し渡良瀬方面の山が歩きたいと思い、数年前のゴールデンウィークに歩いた事のある椀名条山に行く事にした。
黒坂石テント村付近 稜線の標識 椀名条山
家からは赤城の農面道路を進み、次に国道122号を日光方面に進み、沢入駅に入る。ここから黒坂石テント村を目指すのだが、今回唯一心配だったのは、週末に降った雪が残って路面が凍結している事であった。私の車は、スタッドレスは履いているものの2WDでチェーンを載せていなかった。沢入駅前から道を進むと時々凍結した場所はあるものの特に問題はなかった。しかし、最後のテント村手前は道が連続して凍結していた。もし少しでも滑るようならば引き返そうと考えたが、思ったよりもスタッドレスがグリップした事と登りの傾斜が緩かったので問題なくキャンプ場まで行く事ができた。車を椀名条山の登山口となるテント村交差点の脇に止め、登山の支度をしていると数台の軽トラックが断続的に通過していった。そのときはこんな奥までトラックが来るのは、この奥の炭焼き小屋で何かのイベントでもあるのかと思っていたが、実はこの付近で猟をするハンターのものだった事が後で分かった。登山口からは急な斜面を一気に登り稜線に達する。稜線上にはふんわりと積もった枯葉の上に雪が薄く積もり凍っている。踏み込むと表面の氷がわれ、足が枯葉の下まで潜り込み歩きづらい。特に登り斜面では枯葉が滑り余計に歩きづらい。いくつも小さなピークを越え高度を上げていく。奥に行くほど枯葉は少なくなり、雪は多くなっていく。それでも雪は深いところで20センチ程度で、つぼ足で十分歩ける。雪のせいでだいぶ時間がかかったが、やがてたくさんの山頂標識の付けられた椀名条山の山頂に到着した。
伐採地境界のネット 伐採地 石祠
山頂からはあまり展望も得られなかったのと雪の上に座るのが寒かったので、立ったまま水分補給をしただけで先に進んだ。稜線に沿って忠実に氷室山方面に歩いていくと右側の谷からは重機の音が聞こえ、左側の谷からはハンターの打った猟銃の音がした。ここまで誰にも会わないし、雪の上には人間が最近歩いた足跡もなかったので、これはいかん自分の存在を明らかにしないと撃たれてしまうと思い急いでカウベルを取り付けて歩いた。しばらくで辺りの景色が開け、大伐採地に出た。ここは伐採されて木が太陽を遮らないためか、雪はだいぶ解けていた。伐採地境界の稜線が登山道となっていて延々とビニールネットが張られていた。先ほどの重機の音は向かい側の林道斜面で作業している車のもののようだった。更に進むと稜線上にハンター二人が犬を何匹も連れて休んでいた。挨拶をするとこれからどんなコースで歩くのかと聞かれた。こういうことはキチンと情報を伝えておいたほうが良いので氷室山から根本山に向かうことを伝えた。すると話をしたのとは違うハンターが仲間と思われる人とトランシーバーで、これからこの稜線上を登山者が歩いていくことを伝えていた。
氷室山への登山道 氷室山 氷室神社跡
さらに稜線に沿って進んでいくと伐採地は終わり、笹の上に雪の載った道となった。雪のため滑って歩きづらい急な斜面を登ると石祠のある1109m峰の氷室山分岐に出た。氷室山へはここを右方向に進む。ここから直進方向に見える下り斜面は、南向きの笹原の斜面で今まで歩いてきた道とは季節を異にした感じである。この斜面の上にもハンター二人が休んでいた。そばを通らなかったので、話はしなかったが先ほどのハンターの仲間のようだった。木々の間から見える横根山、地蔵岳方面の景色を楽しみながら、雪に覆われた雑木林の笹原の道を進んだ。ふと気がつくと氷室山を巻く道を進んでいたので、強引に斜めに登り氷室山の山頂に出た。ここで今日はじめての登山者に出会った。結局この後登山者には誰も会わなかったので、ここで会った2人組が今日出会った唯一の登山者となった。氷室山からは氷室神社跡に寄って先に進んだ。
十二山への道 十二山 十二山神社
神社跡からは十二山方面を目指して歩いた。ここでもうひとりのハンターに出会った。今日のこの山域では、登山者は少なくハンターだらけのようであった。宝生山は以前に何回か登っていたので右側を巻いた。起伏の少ない雑木林の道を進み、雪で消された道を少し間違えたりしながら熊鷹山と根本山の分岐の十二山に到着した。ここにも複数の山名板が吊るされていた。ここは日当たりも良く椀名条山より暖かいが、ほとんどが雪に覆われて、腰を下ろす場所がないので先を急いだ。十二山から10分程度で十二山神社に着いた。ここもほとんどは雪に覆われていたが、一部の石垣などが雪もなく乾いていた。風もなく、日当たりも良く暖かいので、ここでゆっくりと昼食休憩を取った。
根本山 囓られた案内板 鎖とロープの急な岩場
十二山神社から根本山までは思っていたより簡単に、ひと登りで着いた。ここは有名な山なのだからこの3連休には誰かいるのではないかと思ったが、中尾根コースからのトレースはあるものの山頂には誰もいなかった。ここから先のコースの記憶が少し曖昧な部分なので、山頂を早速出発した。山頂から三境山へのコースは、全くの新雪の状態で本当にこちらで良いのかと自信を失いそうな感じだった。しかし、尾根をしばらく進んだところにクマに囓られた案内板があり、コースは間違いなかった。このコースはここから急傾斜の尾根を一気に下る。さすがにこれだけ雪があると滑るので木に捕まりながらゆっくり降りる。踏み跡は雪に隠れて分かりづらいが、マーキングの赤テープがそこら中にあり分かりやすい。傾斜が少し緩んだ後、再び鎖とロープのついた厳しい岩場の下りとなる。雪もあり、道も狭くそして急なのでしっかりロープや鎖に捕まりながら慎重に下った。その後は道が稜線上と左に巻くものがあり、前回稜線上を来たので、左の巻き道を歩いてみた。再び巻き道と稜線が交差するところに根本山への標識があり、その脇に黒坂石の案内板があった。それに従って稜線を根本山方面に数メートル戻ると今度は左の植林地に入っていく黒坂石への道と標識があった。道は植林地の作業道のような感じで続いていた。しばらくすると根本山が見晴らせる伐採地に出た。そこから再び植林の森に入り、急傾斜の道を降りて一気に高度を下げていった。やがて道は沢に向かって降りており、そこには根本山登山口という立派な標識があった。沢の中を数メートル歩くと林道終点にでる。林道のすぐ先の橋には『きごろう橋』と書かれていた。後はひたすら林道を歩いて、登山口の黒坂石テント村の交差点に到着した。雪で大変な場所もあったが、なかなか面白いコースを雪のある時期に歩けて楽しかった。
黒坂石分岐 林道終点の根本山登山口 林道
TOP 記録 2009 群馬百名山 群馬の300山
inserted by FC2 system