石尾根縦走 石尾根縦走路
東京都奥多摩町、山梨県丹波山村
七ツ石山(1,757m)、高丸山(1,738m)、日蔭名栗峰(1,725m)
鷹ノ巣山(1,736m)、水根山(1,620m)、城山(1,523m)、六ツ石山(1,478m)
【登山日】 2012年5月23日
【登山コース】
鴨沢[4:07]→小袖登山口[4:35]→堂所[5:51]→七ツ石小屋下[6:38]→巻き道迂回→[7:12]七ツ石小屋[7:22]→[7:39]七ツ石山[7:50]→高丸山[8:32]→日蔭名栗峰[8:55]→鷹ノ巣避難小屋[9:25]→鷹ノ巣山[9:50]→水根山[10:03]→城山[10:20]→六ツ石山[10:55]→[12:13]滝のり沢バス停[12:50]⇒鴨沢[13:12]
平日に休暇が取れたのでどこかに遠出しようと行き先を物色した。長野、新潟の高い山や上信越国境はまだ雪があるので除外。では南はというと秩父から武蔵辺りは結構登っていて、これといった山が見つからない。眺望の良い高い山で何かないかと考えると、奥多摩方面は全くの手付かずなのでどこでもありである。休日だと混む山域なので平日登山にはもってこいではないか。次に、この方面で高くて眺めがいい山といえばまず雲取山が浮かんだ。雲取山へは以前に二度ほど登ったが、いずれも三峰神社からだったので、今回は奥多摩湖側からと検討を始めた。しかし、雲取山では長いピストンであまり芸がない。そこで奥多摩湖沿いにバスがあることを利用して縦走しようと考えた。そこでネットで情報収集すると、鴨沢から七ッ石山を経て奥多摩駅まで石尾根を縦走した記録に当たった。このコースタイムからすると1日に数本しかないバス便だが早朝に出発すればどうにかなりそうだと判断して、前夜に出発した。
出発時の鴨沢駐車場 小袖乗越 小袖登山口
登山道の新緑 植林地 奥多摩湖方面の山
計画の決定が前夜の10時頃で、深夜1時半に家を出た。高速道路を関越道、圏央道と乗り継ぎ、青梅ICで降り奥多摩に向かった。ダム沿いのウネウネとした道を走り、4時少し前に鴨沢の駐車場に着いた。平日の早朝なのに数台の駐車車両があり、その間に停め出発した。夜明け前でヘッドライトはいらないほどの明るさになってはいたがまだ薄暗い道を歩き始めた。まずは家並みの間の道を登る。案内板はあるので迷わないが、すぐに家並みは途切れ、植林地の巻道を進んでいく。高度を上げてくると少しずつ明るさは増し、一汗かいたところで、小袖乗越と呼ばれる車道との合流点に出る。昨夜来の雨のせいか、辺りは朝靄に包まれている。ここから少し車道を歩いた先に登山口があり、いよいよ山道となる。この道は傾斜は緩く、小袖川に沿って登っていく。しばらくは石垣や畑の跡、廃屋など人の住んでいた形跡が見られるが、やがて人工物は少なくなっていく。少しずつ日も差し始め、木々の葉は萌え立つような緑で鮮やかである。1時間に5分ほどの休憩を入れながらどんどん登っていく。後ろを時々振り返ると奥多摩湖の反対側の山々も少し見えてくる。
日差しを受けた新緑 堂所 ツツジ
富士山の眺め 巻道の橋 オオカメノキ
今回は七ッ石小屋から七ッ石山へ登るのではなく、七ッ石山を巻いて雲取山側に出て、北西から七ッ石山に登ろうと考えていた。なので堂所を過ぎ、七ッ石小屋への分岐も通り過ぎ巻道を進んだ。七ツ石小屋下の分岐を過ぎた辺りから木々に間から富士山が見え始めた。群馬県人にとって富士山は滅多にお目にかかれない山なので、これほどきれいに身近に見えるのは無茶苦茶うれしい。日も差して気温もどんどん上がってきた。ここで余りものも考えずに歩いていたので、途中の道標に吸い込まれるように入ってしまい、ブナ坂手前でいま来た道より一段高い巻道を戻ってしまった。結果、七ツ石小屋の上の水場に出た。ブナ坂方面から七ッ石山に登るつもりだったのに、これでは巻道を進んだ分だけ時間のロスとなってしまった。最初から小屋経由で山頂を目指せば良かった。しかし、ここで気を取り直して少し下り小屋に寄っていくことにした。小屋に行くと小屋の方話しかけてきてくれてこんなにきれいに見える富士山は珍しいなどと話してくださった。そして話をよく聞くとその方はこの小屋の手伝いで、本職は富士山の御殿場からの登山ルートにある小屋の方だった。話とともに小屋の割引の付いたハガキもいただいた。
飛龍山方面 七ツ石小屋 七ッ石山山頂
ブナ坂 南側の眺め 雲取山
小屋から一気に水根神社を経て七ッ石山の山頂に登った。山頂からの眺めは、昨夜来の雨に空気中のチリが落ち空気が澄んで遠くまで見通せる絶景である。雲取山やそれに連なるブナ坂の稜線、飛龍山、八ヶ岳、南アルプスそして富士山と飽きることのない素晴らしい眺望である。ここからいよいよ防火帯として刈り払われた石尾根の縦走が始まる。稜線上のピークはすべて踏んでいこうと思い、途中からはよく踏まれた登山道から少し横の防火帯を歩いた。まずは高丸山、日蔭名栗峰と結構急なアップダウンを繰り返す。夕べの雨のせいで急な下りでは粘土層の場所はかなり滑った。天気も良いせいか眺めも良く、萌え立つ緑も素晴らしくこの石尾根は実に素晴らしい登山コースである。また雪の時期や紅葉の時期にも歩いてみたいコースでもある。七ッ石山で予定時間よりも30分ほど遅れていたのでバスの時間もありこれらのピークでは休憩なしで先を急いだ。鷹ノ巣山の手前鞍部には立派な避難小屋があり整備されていた。そこの案内板のコースタイムを見ると12:47水根のバスに乗るには30分ほど遅れるようだった。かといって14:41水根のバスに奥多摩駅から乗るのだと時間が余りすぎてしまいそうだった。過去に尾瀬でバスに急いだ経験で言えば下りで少し急いで走れば30分ぐらいならば短縮できそうだったので、予定通り鷹ノ巣山から六ッ石山を経て水根の下ることにした。
鷹ノ巣避難小屋 鷹ノ巣山登りから石尾根を振り返る 鷹ノ巣山
鷹ノ巣山山頂 石尾根縦走路 六ッ石山山頂
富士山方面は気温が上がってくるとともに雲が発生し、辺りを覆って景色が悪くなってきた。鷹ノ巣山からは石尾根の縦走路が見えた。山頂ではやはりゆっくりすることなく先を急いで下った。次に目立たぬ水根山を過ぎ、木に山名板の挟まった城山と進んだ。縦走路からは分岐し少し戻るようにして六ッ石山の頂上に登った。避難小屋の案内板にはここから水根まで2時間のコースタイムとあったが、いままでの具合から1時間半あれば大丈夫と思い、素分補給と栄養補給を兼ねて休憩を取った。下りの始めは広い尾根で下りやすく少しは走ることもできたが、檜の植林地にはいると急で荘時間短縮もできなかった。しかし、案内板に反して、下の集落に出るまでには1時間もかからず降りられた。集落から湖畔の道への降り方がよく分からず、時間はロスしたが、結局30分以上を残して水根の手前の滝のり沢バス停に到着した。ここでゆっくり休みながら12:47分到着予定のバスを待ったが、バスは数分遅れてきた。ここから490円を払いバスで鴨沢まで戻った。このコースは雲取山から奥多摩駅までの石尾根をすべて歩きたかったが、マイカー登山ゆえに車の回収を考えると難しい。しかし、まだあまり研究せずに歩いたので今度はもっと調べて、石尾根を完全縦走したいものである。ともかく天気に恵まれ実に素晴らしく楽しい登山だった。
檜の植林(急な下り) 奥多摩湖 滝のり沢バス停
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