雨飾山 雨飾山
長野県小谷村、新潟県糸魚川市 標高 1,963m
【登山日】 2010年 9月 4日
【登山コース】
雨飾キャンプ場[5:30]→[6:30]荒菅沢[6:45]→[7:40]笹平[7:50]→[8:20]雨飾山[8:50]→登山口[10:30]
今年は異常な暑さなので、この時期となってもできるだけ高い山に行きたい。しかし、妻の許可が出ないので、泊まりというわけには行かない。したがって、アルプスが候補から消えてどこに行こうかと考えた。数年前からその語感の美しさからいつかは登ってみたいと思っていた雨飾山が浮かんだ。適期としては秋の紅葉シーズンなのだろうが思い立ったが吉日で、今実行しないと次はいつになるか分からないと思い出かけることにした。
朝の登山口 木の根の張った急登 ブナの木と3/11の標識
家を深夜0時過ぎに出て、関越道、北陸道と高速を繋いで、渋川から糸魚川まで3時間のドライブとなった。上信越道経由で行ってもほとんど変わらないが、友人の関越道の方が走りやすいとのアドバイスに従った。糸魚川ICを降りてからは国道148号線(千国街道)を大町方面に向かう。しばらく走ると「洞門多し」の注意看板があった。「洞門とは?」と思って進むとトンネルとスノーシェイドがひたすら連続した。対向車はほとんどがトラックで、曲がりくねったトンネルで出会うのは少し怖い感じである。小谷温泉口で左折し小谷温泉に向かう。小谷温泉からは一本道で雨飾キャンプ場の駐車場に到着した。合計4時間のドライブとなった。まだ時間も早く暗いので、ここで1時間ほど仮眠を取った。隣の車の主が出発した音に目が覚め、支度をして歩き始めた。まずは駐車場のトイレ裏から入り、下る。ほとんどが木道となっていて、ほぼフラットな道を歩く。木道には草などが覆いかぶさり、朝露をふんだんに含んでいてズボンがびっしょり濡れてしまった。歩き始めて15分ほどで「2/11」(雨飾山の登山道は4400mあり、400mごとに看板が設置されている。ここは登山口から800m地点ということらしい。)の看板のある場所に着いた。ここからいよいよ本格的な登りとなる。
登山口方面 布団菱(帰り) 高妻山方面
笹平への急な登り 尾根から見た布団菱方面 岩場の梯子
この登りは最初かなり急で先日登った白毛門の登りを思わせた。朝なのでまだ気温も低く、山に遮られてまだ日も差さないので涼しい温度なのだが、その登りのキツさにすぐに汗だらけとなった。この登り道の周りには雪で根元が一定方向に曲がったブナが沢山生えており上越とはいえ中越の豪雪地帯と似た新潟らしい登山道だった。この急登が緩んだところがブナ平と呼ばれる辺りである。ここから先は一気に下り荒菅沢に降りる。降りる手前の展望地点で布団菱と呼ばれる岩場を眺めるが、天気は良いのだが、山頂部にはガスが掛かり見えない。帰りに天候が回復することを祈るだけである。この荒菅沢手前の展望地で朝食を摂りながら大休憩とした。
笹平か見た雨飾山 上から見た荒菅沢 大網登山道方面
石祠と石仏 山頂 白馬岳方面
荒菅沢からは再び急な登りとなり、樹林の登りからしばらくすると岩尾根の登りに変わる。岩場には数ヶ所梯子もありかなりキツイ。しかし、この辺りから周辺の展望が得られ、高妻山、戸隠山や向かいの金山なども見えてくる。これらに慰められながら汗びっしょりになって登る。天気は回復してきて日差しもあり、頭の上には真っ青な空も広がる。ガスも消えて布団菱の岩場を望むこともできるようになった。左側の岩場にはアザミやリンドウ、トリカブトなどの咲く花畑も広がる。展望は期待できそうだが、直射日光が当たり暑い。どうにかこの急登を登り切ると笹平と呼ばれる山頂手前の広大な平坦地に着く。ここからは笹原の向こうに雨飾山山頂がぴょこんと見える。ここからの風景はガイドブックの写真で何度も見たすばらしいものである。ここで再び休憩を取った。
鹿島槍ヶ岳、五龍岳方面 笹平 焼山、火打山
笹平からわずかな歩きで山頂基部に達する。その手前には糸魚川方面からの登山道が合流している。最後山頂までは再び急登を登る。山頂手前には石祠が祀られた場所がありここは大網登山道からの合流点のようだった。そのすぐ先が山頂である。この山頂からの眺めは絶景で、今まで見えていなかった北アルプスの山々が姿を現した。天気は回復して高い場所は良く見えるが、下は雲海に覆われていた。手前には1ヶ月前に登った白馬岳、雪倉岳、朝日岳その向こうには鹿島槍ヶ岳から槍ヶ岳、穂高岳方面も見える。視点を変えると高妻山、戸隠山そして金山の左には焼山、火打山も見える。残念ながら日本海側は雲に覆われ鋸岳も海も見えない。お腹いっぱいになるほどの大展望を楽しみ下山した。駐車場に着くと30台駐車できるのだがまだ3分の2ぐらいしか埋まっていなかった。どうもこの時期はオフシーズンなのか、日本百名山にしては少ない気がした。駐車場に到着したのが10時半ということでもう一山近辺の大渚山に登ろうかとも思ったが、この後4時間のドライブをしなければならないことを考え帰ることにした。まずは雨飾荘で温泉に入りさっぱりして来た道を戻り帰った。さすがに帰りは運転に疲れ、途中のSAで1時間ほど仮眠を取り無事帰宅した。雨飾山はその名前に恥じない山容の美しさと展望の良さに大満足の山歩きだった。
TOP 記録 2010
inserted by FC2 system