白馬三山 白馬岳
長野県白馬村、富山県宇奈月町
白馬岳(2,932m)、杓子岳(2,812m)、白馬鑓ヶ岳(2,903m)
【登山日】 2010年 8月6日、7日
【登山コース】8月6日
猿倉[5:10]→[6:05]白馬尻小屋[6:15]→[8:15]葱平[8:25]→村営頂上宿舎[10:05]→[10:40]白馬岳[10:50]→村営頂上宿舎[11:20]
今回は珍しく単独行で一、二人用のテントを持っての登山をした。目標は白馬岳で、1日目は白馬大雪渓を登り、2日目に杓子岳、白馬鑓ヶ岳を回って下山する予定で出かけた。いつもの日帰り登山に比べて荷物も重くなるので、できるだけ軽量化を図り、食料は高価であるがアルファ米とフリーズドライ食品とした。それでも水分を4リットル持ったので、荷物は10数kgとなり肩にずっしりと重い。家は6日の0時半頃に出発し、渋川→鳥居峠→長野市→白馬→猿倉と下道を走り、4時頃に猿倉の臨時駐車場に到着した。時間に余裕もあるのでここで1時間ほど仮眠した。
臨時駐車場 猿倉荘 林道(渡渉点)
朝日の差す山 白馬尻小屋 小屋から見た雪渓
5時になると明るくなり、周囲の準備をする音に目が覚めた。早速仕度をして出発する。臨時駐車場から猿倉荘に上がり、林道に入る。林道は大雪渓下の河川を工事する車両が通れるほど広く、整備されている。朝日が山の上部に少し当たり始めるが、山頂部はまだ雲が覆っていた。やがて、林道から登山道に入り、一汗かいた辺りで白馬尻小屋に到着する。大雪渓から溶け出した水で水量豊富な川のたもとにあるこの小屋の前は少し寒いくらいであった。目の前にはこれから登る大雪渓が見えている。これからに備えて十分に休憩を取った。
大雪渓入口 雪渓の登り ガスに覆われた雪渓
雪渓上部から振り返る 雪渓上部 雪渓終点付近
雪渓の入口に着くと登山者が皆軽アイゼンを装着していた。私のガイドブックでは雪に慣れていなければアイゼンを付けましょうとあったことと、傾斜も緩くよく踏まれているので最初はアイゼンなしでも行けそうだったので、そのまま登り始めた。しかし、上部に行くと傾斜も急になったこととせっかくアイゼンを持ってきたのでアイゼンを付けた。途中、アイゼンなしで登っていた家族を注意していた登山者がいたが、この雪渓はアイゼンなしでも登れそうであった。実際私の前を歩いていた人はアイゼンなしの長靴で登っていた。(山小屋関係者かも?)この雪渓の話を知人にしたとき、その人は危険なので絶対の登らないと行っていた。実際歩いてみると雪渓上にはたくさんの落石があったし、雪渓上部では左の谷などから小振りではあるが落石があり不気味な音がしていた。また途中の標識には『雪渓上の石は全部落ちてきた石です。早く雪渓を通過して下さい』とあった。1度は良いがそう何度も歩きたくはない気がする。雪渓を半分登った辺りから霧が出てきた。霧は上から吹き下ろしてくる。その風は時々生暖かく、フェーン現象のようだった。雪渓の登りは1時間20分ほどで抜けた。そこからは右の急な岩場に取り付いた。ここも落石の多い場所のようで、標識にはここで休憩しないでくださいとあった。この辺りから登りは雪渓より急できつくなってきたが、花がたくさん現れて気持ちが癒された。葱平に到着したところで休憩とした。
花畑1 葱平 ミヤマキポウゲが群生
緊急用避難小屋 小屋から見上げた斜面 花畑2
葱平から30分ほど登ると緊急用避難小屋の新しい建物が現われた。ここには登山指導員の人がいた。ここまでもそしてここからもひたすら高山植物が咲き乱れまさに花畑が続いていた。白馬岳がこんなに花の多い山とは実際に登ってみて驚いた。避難小屋の付近で雲が切れ少し晴れ、白馬岳の下部が見えた。傾斜も少し緩みここからは花畑を楽しみながらの登りとなる。1時間ほど登ると村営頂上宿舎が見えてきた。天気は回復してほぼ晴天である。しかし、残念ながら白馬岳山頂付近だけは雲に覆われていた。村営頂上宿舎に重い荷物をデポして白馬岳の山頂まで行ってくることにした。ほとんどの時間霧に覆われて展望は得られなかったが、時々霧が切れて白馬山荘も旭岳も見ることができた。白馬山荘から山頂までの道にはライチョウが現われ登山道で砂浴びをしていた。山頂で記念写真を撮り、天気の回復を待ったが残念ながらどんどん悪くなり大展望は得られなかった。
村営頂上宿舎 白馬山荘と白馬岳 ライチョウ
白馬岳山頂 三国境方面 旭岳
山頂から村営頂上宿舎に降りて昼食を摂った。ここであまりに時間が早いのでこれからどうしようかと考えた。これから杓子岳、白馬鑓ヶ岳を経て天狗小屋まで行って幕営することもできるし、ここでゆっくりすることもできしどうしようかと悩んだ。結果、ここに幕営することにした。明日の天気に期待してもっと良い天気の中を杓子岳、白馬鑓ヶ岳と歩こうと考えた。(残念ながら次の日はより悪い天気となってしまった)そう考えると早速テントを張り、睡眠不足を補う昼寝をした。2時間ほど寝ると天気が回復し陽が差しテントの中は暑くて寝ていられなくなった。そこでテン場の上の景色の良い場所でビールを飲みながら展望を楽しみ、夕方6時ころには再び熟睡してしまった。夜半には夕立のような強い雨が降った。しかし、家とは違う涼しい気候に起きることなく朝まで気持ちよく寝た。
村営頂上宿舎と杓子岳 杓子岳、白馬鑓ヶ岳 テン場

【登山コース】7月6日
村営頂上宿舎[4:53]→[5:00]丸山[6:13]→杓子岳[6:05]→白馬鑓ヶ岳[7:05]→[8:50]鑓温泉[9:00]→猿倉[12:05]
朝は3時半に起き、朝食を食べて5時ちょっと前にテン場を出発した。これからの縦走路上にある丸山の山頂まで登りここで朝日を見ることにした。起きたときには夜空には無数の星が見える晴天だったが夜明けが近づくに従って雲が増えてきた。朝日が出る前には白馬岳山頂には雲がかかってきてしまった。それでも朝日に当たる白馬三山を堪能することはできた。遠く剱岳にも朝日が当たり見事である。写真撮影を終えて丸山から杓子岳へ向かう。天気は次第に悪くなり霧が出てきた。杓子岳への登りでは霧が巻き完全に視界がなくなってしまった。杓子岳の山頂についても全く視界がなくつまらない。少しだけ霧が薄れた瞬間にブロッケン現象を見ることができたことが唯一の収穫だった。更に鑓ヶ岳に向かっても状況は変わらず霧の中を進んだ。
白馬岳 朝日 杓子岳、白馬鑓ヶ岳
剱岳 丸山 杓子岳、白馬鑓ヶ岳への縦走路
鑓ヶ岳から稜線を進み鑓温泉分岐を左に下る。この先の下りで霧のせいで道に少し迷ってしまった。一部雪渓を横断するのだがその取り付きが不鮮明だった。どうにか道を見つけ下った。この先が大出原と呼ばれるところで一面のお花畑である。そこで花の写真を撮っていた方に話を聞くと晴れれば鑓ヶ岳が上部に見えて見事なものとのことだった。今日は残念な天気となってしまった。この花畑を抜けると岩場の湿った下りとなり、鎖場が続く。右下は崖となっているので鎖に伝わりながら慎重に降りた。すると雪渓の間に湯気のもうもうと上がる鑓温泉に到着した。
杓子岳への登り 杓子岳山頂 ブロッケン現象
白馬鑓ヶ岳 大出原 大出原の花畑
ここは露天風呂があり外からは丸見えだった。また足湯もありこれは無料となっていた。私はめんどくさいのでどちらも入らなかったが、ここに幕営するならば入ってみたいものである。ここでゆっくりと休んだ。鑓温泉から後は再び雪渓を横切り進む。標高が下がったせいかともかく暑い。ともかく花を楽しみながらひたすら下った。猿倉荘に到着したのは12時で、5時間近い下りがやっと終わった。下山後は白馬まで出て温泉につかり高速道路を利用して帰った。このコースを日帰りで歩く方もいるようだが、私にはちょっときつい感じがした。天気には恵まれなかったがともかく花、花、花の充実した山歩きだった。(高山植物はキリがないほどあったので写真には載せませんでした。)
鎖場の下り1 鎖場の下り2 鑓温泉露天風呂(中央)
雪渓 池塘 鑓温泉分岐
TOP 記録 2010
inserted by FC2 system