黒金山、乾徳山 黒金山
山梨県山梨市 黒金山(2,232m)、乾徳山(2,031m)
【登山日】 2010年 6月7日
【登山コース】
西沢渓谷入口[5:43]→七ツ釜五段の滝[6:59]→[7:09]黒金山登山口[7:21]→紅葉台[8:18]→2,021m峰[9:36]→牛首のコル[10:10]→[10:45]黒金山[11:03]→笠盛山[11:27]→乾徳山[12:00]→扇平[12:27]→道満山[13:19]→徳和バス停[14:00]
久しぶりに高い山に登りたいと思い、通いなれた奥秩父で物色してみた。そこで見つけたのが、数年前に登ったときに展望の得られなかった乾徳山と未踏の黒金山、西沢渓谷を合わせて歩くコースである。徳和と西沢渓谷間にはバスが走っていることもネットで分かったので、縦走することを予定して、時刻表をプリントアウトして早朝に出かけた。渋川から藤岡までは高速を利用し、後は秩父から雁坂トンネルまでいつものように一般道を走った。家から西沢渓谷までは3時間を予想していたが2時間半程度で到着した。コースは徳和から西沢渓谷でもその反対でもどちらでも良かったのだが、なんとなく西沢渓谷が手前にあったというだけで、西沢渓谷に車を停めスタートした。このいい加減さが大間違いの元だった。
西沢山荘 三重の滝 竜神の滝
七ツ釜五段の滝(上部) 黒金山登山口 シャクナゲ
西沢渓谷の広い無料駐車場は平日の早朝なので数台しか駐車車両はなく、以前に甲武信ヶ岳に登るために来たときとは雲泥の差である。さすがに早朝は肌寒く、薄手のフリースを羽織って歩き始めた。平日の早朝なので誰もいない道を西沢渓谷奥へと進んだ。甲武信ヶ岳の戸渡尾根登山口、近丸新道登山口などを経て西沢山山荘を過ぎ、いよいよ警告らしい景色の中を歩いた。様々な滝と濡れた足場の悪い道を進み、吊り橋を経て竜神の滝、貞泉の滝、そして最奥の七ツ釜五段の滝まで歩いた。この渓谷は長く一番奥まで思った以上に時間がかかった。滝は多くが滑滝のようなところから落ちていた。水は青く、コバルトブルーの色合いをしていた。滝は、渓谷のせいか天気のせいか光量がなく、写真がうまく撮れなかった。七ツ釜五段の滝から少し登り、トロッコの軌道跡がある休憩ベンチで今日初めての休憩を取った。
紅葉台対岸の岩峰 甲武信ヶ岳 奥秩父らしい苔むした林
奥秩父の峰々 国師ヶ岳 コイワカガミ
ベンチとトイレの設置された軌道跡から奥に進むと大きな『黒金山登山口』の柱が立っている。ここからいよいよ急な登りとなり、登山らしくなる。登山道の周りにはシャクナゲの木がたくさんあるが、花はもう終わってしまったようだった。しかし高度を上げると徐々に花の数が増えてくる。花が揃ってきたところで紅葉台と呼ばれる場所に到着する。ここからは右手の対岸に白い岩峰が見える。この辺りからはシャクナゲだけでなくミツバツツジも目につき始める。道は再び急な登りとなり、奥秩父らしい深い森の中の道となる。やがてピークらしきところに大きな岩が現れる。登山道は周りを巻いているが、中に登る踏み跡も確認できるので藪の中のピークに登る。ここが地図の2,021m峰らしく、これから進む黒金山をはじめ、奥秩父の峰々がきれいに見える。甲武信ヶ岳、国師ヶ岳などははっきりと確認することができる。4時間近く歩いてやっと今日の目標の山が見えてきた。2,021m峰から次の岩場へと登るとそこがお丸と呼ばれるピークらしく、岩場にはコイワカガミも咲いていた。ここから登山道は牛首のピークを右に巻いて行く。そしてコルに出ると突然樹林が途絶える。ここが牛首のコルと呼ばれる場所で、天科からの登山道と合わさる。ここからは富士山が今日初めて見え、実にきれいである。ここから黒金山まで標識には30分とあったので休憩せずに一気に登った。黒金山の頂上は樹林の中から開けた場所に一気に飛び出す。山頂は岩がごろごろしていて北西方向に開けている。目の前には国師ヶ岳が見事である。ここで昼食休憩を取った。
牛首のコル 富士山 黒金山山頂
国師ヶ岳 笠盛山、乾徳山 林の中の登山道
黒金山で昼食を摂りながらバスの時刻表を見てやっと気が付いた。14:22徳和から西沢渓谷のバスの次は18:22であること(時刻表には休日のみ運行のバスがその間に記載されていた)そして14:22より後のバスは西沢渓谷まで行かないこと(天科止まりである)にである。つまり、14:22が西沢渓谷行きの終バスなのである。現在の時刻が11時少し前、黒金山から徳和までのコースタイムがアルペンガイドも昭文社の地図も4時間弱である。これはどう考えても無理かもしれない。ここは牛首のコルまで戻り天科に降りるならばコースタイムは2時間ちょっとで余裕で間に合う。しかし、せっかくここまで来て乾徳山のピークを踏まないのはピークハンターとしては残念だということで、食事をしながら葛藤した。結果、地図を見れば乾徳山に向かっても登山道は基本的に下り基調なので1時間ぐらいコースタイムを短縮できる可能性もある。いざと成ればタクシーでもかまわなし、それに今日はなぜかピークハンターの血が騒ぐということで初志貫徹ということに決めてスタートした。
笠盛山山頂 黒金山 乾徳山山頂
山頂からの長い鎖場 扇平方面の展望 扇平付近のツツジ
黒金山から笠盛山までは踏み跡やリボンなどはあるものの今までの道に比べると薄く間違いやすい登山道だった。この間を30分で抜け、目の前に見えてきた乾徳山へも30分ほどで達した。急いでいるならば以前に乾徳山には登っているのだから登る手前から巻き道があるのでそちらに進めばよいのだが、今日はピークハントに燃え鎖場を登り、視界の開けた山頂に登った。これで前回の雲に覆われたピークの思い残しを払拭できた。ピークは数枚の写真を撮るとすぐに辞し、10m近い垂直な鎖場を降りた。その後も速度を上げて進み、12時半に扇平に到着してどうにかバスの時刻に間に合いそうなめどが立ち一安心となった。扇平付近からは燃え上がるような新緑とミツバツツジのたくさんの花が咲いており目を和ませてくれた。道満山から後はかなり速度を落としゆっくり下った。それでも14:00には徳和のバス停に着いてしまった。ここでベンチに掛けバスを待った。すると後から降りてきた女性の単独行の方が塩山駅まで乗せていきましょうかと声をかけてくださった。私よりずっと若い方だったこととそんな風に声をかけていただくことが珍しかったので是非乗せていただきたかったのだが、残念ながら私は西沢渓谷に戻らなければならないので丁重にお断りをした。登山を始めた頃に甲武信ヶ岳に登ったときにも山頂で若い女性の単独行の方と一緒になって話が弾んだことがあった。この山域は意外と若い女性の単独行が多いのか?徳和から西沢渓谷までは料金300円で行くことができた。帰りには雁坂トンネルを抜けて大滝の湯で汗を流して帰った。
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