広古屋山 広古屋山
群馬県南牧村、長野県佐久穂町 標高 1,484m
【登山日】 2009年12月1日
【登山コース】 登山口[8:53]→県境稜線下の踏跡[10:22]→[11:01]広古屋山[10:21]→矢沢峠[11:53]→登山口[12:36]
のこぎり岩に続いて本日のメインイベントである広古屋山に登るために大上峠に移動した。この山についてネットで調べるとどちらから登ってもヤブを漕がなくてはならないらしく、どこからが比較的登りやすいのかいろいろな情報を調べた。そのためかこの山についてはいろいろと面白い事が分かってきた。ひとつはこの山の表記は2種類あるようだった。『広古屋山』と『広小屋山』である。ネットで検索したときヒットする数は『広小屋山』が多いのだが、これを用いているのはネット以外では昭文社の登山地図ぐらいだった。それに対して『広古屋山』と表記しているのは佐久穂町のHPとコンサイス山名事典だったので私としてはこの表記のほうを採用した。また、このヤブの山域は登山者だけでなくMTB愛好者にも多く登られているようだった。特に、11月に大上峠からMTB愛好者がたくさん登った記録があったので、少しは踏み跡がついていて歩きやすいだろうと思い大上峠からのコースを選んだ。
大上峠 自然樹木園 稜線の踏跡
先ほどのこぎり岩の上から見たとき大上峠付近だけ雲が被っていた。峠に着くと案の定ガスに覆われていた。それでも濡れるほどではないので峠に車を置き出発した。峠から30分ほど歩きいよいよヤブに入るところで、霧が樹木に付いて水滴になったものが雨のようにボツボツと音を立てて落ちてきた。そのため笹薮も水気を含み、飛び込めばすぐにびしょ濡れになりそうだった。ヤブでさえも嫌なのにびしょ濡れはたまらないのでここで引き上げて峠に戻った。先ほどののこぎり岩登山口付近であれば晴れていたのでそちらに戻り、矢沢峠経由で登る事に変更した。
取付き地点 左岸の尾根 右岸上部
この付近から笹藪となる 稜線と並行した踏跡 広古屋山への尾根
大上峠から林道を戻り、のこぎり岩の登山口を過ぎ、自然公園手前のヘヤピンカーブ少し手前に車を停めた。ここら辺りから沢沿いの登っていけば矢沢峠にいけそうだった。取り付きは比較的分かりやすい。なぜならばこの林道の山側はほとんどが護壁工事で固められ登れない。この沢の部分だけが壁が切れていて登れる場所だからである。まずはこの沢の左岸を登り始めたあまり沢に近いと苔の生えた岩がゴロゴロして歩き辛いのでやや右の枯葉に覆われた斜面を登った。登っていくうちに傾斜が増してくる。右側には岩が立ちはだかり登れそうにもないよう思えたし、薄い踏み跡が沢を渡って右岸に向かっていたのでそちら側に渡った。更に上に登りいよいよ背丈ほどの笹薮に突入した。このあたりは思ったより笹の間隔は広いのでそれほど大変でもなかった。しばらく登ったところで人の歩いたような踏み跡に出た。この道は左に巻くように進んでいた。真直ぐに上がるのは今までより藪が深そうなのでこの踏み跡を進んでみた。すると再び岩がゴロゴロした斜面に出て踏跡は消えていた。この斜面を登り、再びヤブを漕いで県境稜線の手前まで上がると今度は先ほどよりもはっきりした踏跡が稜線に平行してまた左方向についていた。これを利用すれば藪を漕がずに県境稜線を進めそうなのでこの道を進んだ。この道が尾根を乗り越し下っていくようだったので、ここで地図を見るとどうやらここから尾根にしたがって登ると広古屋山に向かえるようだった。
山頂北側の雪 広古屋山山頂 山頂からの眺め(御座山方面)
  
壊れた観測板 矢沢峠付近から1,410m峰矢沢峠付近
この尾根は今までよりも笹の丈が低く歩きやすい。しばらくこの久しぶりに歩きやすい尾根を進むと途中にはビニール紐も幾つか現れ、踏み跡もしっかりしていた。その後再び笹の深い場所を通り、再び気持ちの良い枯葉と低い笹の道を進むと広古屋山山頂の三角点に到着した。山頂北側には最近降ったのか雪が少し残っていた。山頂は木に囲まれているが今は葉を落とし、木々の間から八ヶ岳や御座山などが見えた。日差しもあり暖かく気持ちが良かったので私にしてはゆっくりと昼食をとった。帰りは登りに脇にそれたために確認できなかった矢沢峠に寄って行くことにして来た道を戻った。登りで合流した踏み跡は更に北側まで続いていて背丈ほどの笹藪で不鮮明になる。この笹藪は短くすぐに抜ける。するとそこは枯れ葉に覆われた峠らしい場所だったので、群馬県側に寄ってみると刈り払われたところに矢沢峠の看板があった。看板には『さくまち』とあったし、この付近は明らかに笹が刈り払われていたので長野県側からここへは藪を漕がずに来られるのかもしれない。峠から群馬県側を眺めると右方向に沢らしき地形が見えたので、これが登りに使った沢だと思い笹藪の中に飛び込んでそちらに向かった。しかし、この笹藪はこれまでの笹藪と比較にならないほど密度が高くともかく大変な藪こぎとなった。下りなので少しはましだが、登りでここを漕ぐのは傾斜もきつくかなり大変である。どうにかこの密藪を抜けると沢の上部に出た。ここは石がゴロゴロした急傾斜で足元は不安定で、石や土とともに滑ってしまう。慎重に下りどうにかスタート地点に下りた。今回は足だけでなく腕も疲れた全身登山となった。時間的にはもうひと山登ることもできたが、疲労困憊となったので象ヶ滝を見物して帰った。
  
矢沢峠 下りの沢大上林道が下に見える
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