常念岳 常念岳
長野県安曇野市、松本市 前常念岳(2,662m)、常念岳(2,857m)、蝶ヶ岳(2,664m)
【登山日】 2009年 8月19日
【登山コース】 三股駐車場[2:45]→登山指導所[3:00]→森林限界[6:07]→前常念岳[7:16]→[8:02]常念岳[8:20]→最低鞍部[9:13]→蝶槍[11:14]→蝶ヶ岳[12:05]→まめうち平[13:47]→三股駐車場[14:58]
今年の夏は雨ばかりでなかなか楽しい夏山歩きができない。前回の蝶ヶ岳撤退以降も計画は何度かたて、登山口まで向かったものもあったが台風や地震に阻まれてしまった。その上混雑が予想されたので仕事や雑事を入れたお盆時期には天気がいい日が続くという皮肉な事になってストレスは溜まる一方であった。そこで松本付近の天気を前日に確認して、前回のリベンジに常念岳蝶ヶ岳1日周回登山を急遽計画した。いろいろ調べた結果、私の脚力で12時間前後はかかると読んで前日の夜半に家を出発した。前回は休日特別割引ということで高速を使ったが、今回は平日であり夜中なので一般道で登山口に向かった。すべてカーナビにセットして行くとはじめは国道18号をどんどん進んでいった。碓氷峠を越える辺りではガスが出だしてこれからの天候を不安にさせた。18号線で上田を過ぎると今度は国道143号線に入り、青木村にカーナビは導いた。最初は村の中でいいのだが、やがて曲がりくねった細い山道となり次第に不安となってくる。途中には『昆虫の森』などの看板も見られた。どうにか山道を抜け道幅も広がり、人家も少し現れたところで安曇野市に入った。しばらくで長野道の豊科ICに出て、これで一安心となった。それにしてもカーナビ様は予想外の道案内をするものだ。(私の設定が悪かったのかもしれないが)後は前回の通り三股の駐車場まで順調に行った。下道を走り前回よりも1時間遅れの4時間弱で登山口に到着した。
三股登山口 蝶ヶ岳方面の眺め 朝日の当たる樹林帯
朝日に染まる常念岳 森林限界付近 岩場の登り
駐車場に到着したのが午前2時半頃であったが、来る道すがら今日は時間もかかるので、すぐにヘッドライトを点けて出発しようと考えていたのですぐに出発した。空を見上げると満天の星で天の川を確認することもできる。これはすばらしい天気が期待できそうだと気をよくして歩き始めた。さすがにこの時間帯は周りは漆黒の闇でヘッドライトの指す方向しか確認できない。林道を歩き、登山指導所を過ぎ常念岳と蝶ヶ岳の分岐にかかる。今回はここを右に進み常念岳を目指す。ヘッドライトだけが頼りなので、足元を確認しながらゆっくりと登る。50分歩いては10分休むペースで登っていった。2ピッチ目までは日も昇らず、樹林帯の中なので暗闇の道を登るだけであった。3ピッチ目になると5時を過ぎ日も昇り始めヘッドライトなしでも歩けるようになる。樹林の切れ目から朝日が当たり赤く見える。高度も上がって蝶ヶ岳方面の稜線も時々見えた。今までの登りに比べて少し傾斜もゆるんで来たところで朝日に染まる常念岳も顔を出した。今まで暗闇の中で急な傾斜を登ってきて萎えていた登高意欲もここで一気に膨らんだ。傾斜の緩い樹林帯を抜け、木の梯子を登ったところで森林限界となる。ここで3ピッチ目の休憩を取った。
稜線からのぞく穂高岳 一ノ瀬から常念岳への稜線 前常念避難小屋
燕岳方面 横通岳方面 前常念岳
森林限界を過ぎた後は、岩とハイマツに覆われた急傾斜の登りが前常念岳まで続く。樹林帯を抜けたので風も少しあたりだいぶ涼しくなった。しかしここからら前常念岳までの登りはきつく見えているのになかなかそこまで到着しない。体も気持ちもきつい。しかし、気が付くとほぼ1ピッチで森林限界から前常念岳避難小屋まで登っていた。どうも気持ちばかりきつかったのかもしれない。天気は最高で、蝶ヶ岳と常念岳を結ぶ稜線の向こうに穂高岳も少しずつ姿を現してきたし、もちろん蝶ヶ岳方面もきれいに見える。高度を上げていくと他の北アルプスの山々も姿を現してきた。避難小屋からしばらくで前常念岳山頂に到着した。ここで今日初めての登山者と出会った。前常念岳から常念岳への稜線はまさにアルペンな雰囲気で素晴らしく、今までの疲れが吹き飛んでしまう。これが見たくてこのコースを登ってきたのである。前常念岳からは心ウキウキしながら常念岳に向かった。すぐに常念岳小屋分岐に出た。足元の鞍部に小屋が見える。その後ろには、横通岳、燕岳、大天井岳などが見える。常念小屋からは続々と常念岳目指して登山者が上がってくる。
前常念岳から見た常念岳 常念小屋分岐 蝶ヶ岳方面
常念岳山頂の祠 山頂標識 上高地方面
ウキウキ気分で常念岳頂上に着くとそこは北アルプスの山々がすべて見渡せる絶景のパノラマであった。しばらくの間この絶景に見入り、デジカメで写真を撮りまくった。前回までの悪天候のストレスはすべて吹き飛び、絶景でもうお腹いっぱいである。辺りの絶景を背景に記念写真を近くの方に取っていただき、ゆっくりと休んだ。今日はこのままここで昼寝がしたほどだったが、まだ先は長くあまり休んでいると体が動かなくなりそうなので、もう一度絶景でお腹をいっぱいにして頂上を辞した。今日は2.5リットルの水を背負ってきたがもうすでに1.5リットル消費しており、この暑さだと蝶ヶ岳ヒュッテで補給しないと間に合わないようであった。
槍ヶ岳 穂高岳 常念岳からの下り
最低鞍部 蝶槍 蝶槍とガスに隠れた常念岳
常念岳からは岩場の道を一気に下る。標高差にして400m弱である。最低鞍部から低いピークを一つ越える。ここから振り返った常念岳は大きく、朝から5時間をかけて登った山の大きさをここで改めて感じる。ここからもう一つのピークを登る。この辺りから周辺の様相は変わり、樹林と花畑の道となる。これを越え一際尖った蝶槍を目指しての大登りとなる。花畑に咲く花々に慰められながらゆっくりと登る。振り返ると常念岳方面にはガスがかかり始めていた。蝶槍の頂上に立つ頃には常念岳は完全にガスに覆われていた。穂高、槍ヶ岳方面も薄いガスに覆われ景色が少し濁ってきたように見える。常念岳とは全く対照的な景色の蝶ヶ岳への道を進み、2週間前雨に煙っていたヒュッテに到着した。ここまでで予想通り、水がなくなったのでヒュッテで購入した。飲める蛇口の水が1リットル150円とのことで、北アルプスにしては安いと思いながら、1リットルペットボトルに詰めた。ここから先は前回と同じだが、一応長塀の頭にも寄って下山した。駐車場には15時ぐらいに到着した。ほぼ予想通りの12時間でどうにか周回することができ、お腹いっぱいの絶景と長い行程を歩き通せた充実感でもう気分は最高であった。帰りは歩きと同じピッチで休みながら高速を使い3時間半で家まで帰った。温泉にも寄りたかったが、一気に疲れが出てしまいそうだったので、着替えただけで家まで我慢し、家で風呂に入り祝杯をあげた。
蝶ヶ岳三角点 ガスのかかってきた蝶ヶ岳方面 蝶ヶ岳ヒュッテ
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