栂ノ頭、コシキノ頭 コシキノ頭
群馬県中之条町 栂ノ頭(1,564m)、コシキノ頭(1,610m)
【登山日】 2009年 2月26日
【登山コース】
摩耶の滝入口[7:12]→摩耶の滝分岐[7:31]→取付点[8:22]→栂ノ頭[11:06]→[12:31]コシキノ頭[12:56]→栂ノ頭[13:53]→摩耶の滝入口[15:47]
今回登った栂ノ頭、コシキノ頭は以前から計画を検討していたが、ヤブ山なために残雪期の登山ということで自信が持てずに躊躇してきた。しかし、前回の大行山で、地図読みや体力面などに少し自信が持てたので満を持して計画を実施する事にした。
遊歩道の東屋 遊歩道の古い橋 摩耶の滝分岐
当初の予定では3月下旬を考えていたが、今年は雪が少なくて早くしないとヤブが出て、大変なヤブ漕ぎとなってしまう可能性があったのでこの時期となった。車で四万温泉に向かうと道路や山には雪が見当たらない。この時期でも今年はダメなのかと思いながら麻耶の滝入口となるトンネル入口に向かった。登山口の近くなると今日の目標の山並みが見え、山の上には白く雪が確認できた。トンネル脇から舗装された坂道を登り、麻耶の滝への遊歩道入口に車を停めた。ここまで来ても雪はほとんどなく、道路脇に少しだけあった。遊歩道も歩き始めは雪などなく、茶色い土の出た道であった。しばらく歩くと少しずつ雪が現れた。麻耶の滝分岐までは整備され、危険な部分については橋などが架けられていた。しかし、古い橋では、板が腐り落ちている部分もあった。しばらく遊歩道を歩くと麻耶の滝分岐に出る。麻耶の滝は左の川に下りるが、今回の取付はロープを跨いで直進する。
危険箇所 取付きの斜面 深くなってきたクマササ
麻耶の滝分岐からは日陰のせいもあり、今までよりも雪があり、ほぼ全面雪に覆われている。しばらく行くと『群馬300山』やネットなどで情報のあった崩れて細くなった場所があった。ここは慎重に進んだ。道はかつてトロッコの軌道があったらしく、石垣のような石積みの残骸が所々に見られた。どこから尾根に取付くか地形図を見ながら進んだが、だいぶ奥まで進みすぎ、麻耶の滝分岐から4つ目の沢まで入ってしまった。そこで少し戻り、3番目の沢が水量も少なく、左岸の傾斜が比較的緩やかなので、そこに取付き、尾根に従って登り始めた。最初は雪もなく、クマザサも膝程度の高さで、傾斜は急だが歩きやすかった。高度を上げるに従って、クマザサの丈が高くなってきた。雪で押されたせいかクマザサはすべて下に向かって倒れているので、それに逆らいながら登るのは少し大変だった。そのうち雪が現れ、最初は雪が笹の上を滑り、歩きづらかったが、雪の量が増えるにつれクマザサを抑えてくれて歩きやすくなった。所々にある雪を繋いで歩いていたが、やがてほとんどが雪に覆われてきたので、ワカンを履き登り始めた。この尾根の途中には色あせた赤テープが数ヶ所あったので、どうやらここを登った人があったようで安心した。3、4回小休止を取りながら、延々と続く急傾斜の長い尾根を登り、やっとピークらしきところに着いた。
栂ノ頭山頂 高田山 栂ノ頭からコシキノ頭への稜線の雪庇
栂ノ頭の山頂部は広く平らで、どこがピークと言うべきなのか分からなかった。とりあえず、赤テープと布が結ばれた木があったので、この場所がピークだろうと考えて記念写真を撮った。栂ノ頭の山頂部東側に行くと細くなった稜線には雪庇が発達していた。最初は青空も出て天気も良く、展望も良かったのだが、栂ノ頭に到着したときには少し曇り、周りの展望も利かなくなってきた。栂ノ頭からコシキノ頭へは稜線に沿って西に進む。こちら側も稜線上には南側に雪庇が発達していた。小さなピークを越えると稜線は広がり、雪に覆われた牧場のような景色になった。広くて木も疎らで実に気持ちのいい場所である。天気は少し回復してきて、高田山や高野山、去年登った木戸山なども確認できた。また、進行方向にはコシキノ頭も確認する事ができた。コシキノ頭手前の稜線では、ショートカットして歩こうとしたら稜線の南側に雪庇が発達して登る事ができず、結局戻って稜線に登ったために少し時間をロスしてしまった。コシキノ頭は岩峰で稜線上に隆起したように聳え立っていた。その手前も細尾根に大きく雪庇が発達して怖い感じだった。笹に覆われた急傾斜を苦労して登るとそこがコシキノ頭の山頂となっていた。
広々とした稜線 コシキノ頭 コシキノ頭の山頂
コシキノ頭の山頂には栂ノ頭の山頂と同じように山頂標識はなく、赤いテープと青いビニール紐が結ばれていた。これで今日の目標であった2つのピークに立つことができたので、この山頂で昼食休憩を取った。天気が悪くなり、少し雪が降ったり、稜線方向には霧も出てきた。寒いのでテルモスからお湯を出し、暖かい味噌汁を作った。冬は本当に暖かいものがありがたい。昼食を取っている間に、少し天候も回復してきて西側の木戸山への稜線も現れてきた。コシキノ頭の西側の稜線は今までにも増して細い雪庇が発達した尾根で、そこまで降りるのもかなり急で大変そうだった。コシキノ頭からは登ってきた道を忠実に栂ノ頭まで戻った。栂ノ頭からも自分の踏み跡を戻ったが、雪が消えた辺りで誤って、西側の尾根に入り込み4本目の沢に最終的には行き着いた。この沢の下りは、急で登るには適していないと思われる。あとは、川沿いに登山口の車まで戻った。かなり疲労は残ったが、ともかく積年の挑戦目標だった山に登れた充実感で大満足の山歩きであった。
コシキノ頭西側の稜線 木戸山 コシキノ頭直下の雪庇
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