本谷山 本谷山
群馬県みなかみ町、新潟県南魚沼市 標高1,860m
【登山日】 2008年10月18日
【登山コース】
十字峡[5:50]→栃ノ木橋[6:21]→[6:47]内膳落合[6:57]→雨量計測所[8:32]→三十倉[8:47]→小穂口の頭[10:24]→[10:51]本谷山[11:27]→雨量計測所[12:51]→内膳落合[13:58]→十字峡[15:00]
以前から行ってみたい山リストの上位に三国川ダムの奥にある本谷山があった。数年前から登ることを考えてはいたが、群馬山岳移動通信の重鎮さんあにねこさん、その他のネットの記録を見てもなかなか厳しい山歩きのようで、実施時期をいつにするか迷っていた。多くの方は歩きが長丁場となるので日の長い夏場を選んでいたが、暑い時期に暑い場所を長く歩くのはバテてしまいそうで不安だったことと秋の紅葉も見てみたいということで10月に実施しようと天気予報を調べていた。天気予報も個人的な都合もすべて良好ということで10月13日に登る予定で準備したが、突然の用事が入り1週間遅れの今回となった。
内膳落合の標柱 八海山と中ノ岳 雨量計測所
前回の巻機山と同じように、ETCを利用して高速道路を行ったが、4時過ぎに乗って、6時前に降りるという時間が中途半端なものになってしまい深夜割引も通勤割引もなしという痛い結果になってしまった。六日町のICからは三国川ダムに向かい十字峡トンネルを出た駐車場に5時40分に到着した。まだ日の出前だが十分に明るくヘッドランプなしで歩ける状態だったので、すぐに支度を整え出発した。通行止めのバリケードの間を通り、三国川沿いの林道を進むとしばらく行ったところで橋を渡ると丹後山登山口にでる。本谷山へは更に林道を川沿いに進む。距離的にはもうそろそろ中尾ツルネへの取付きとなる内膳落合と思ったところで、左に入る刈り払われた道があった。入口には赤いリボンも結ばれていたのでここが登山口か迷った。しかし、ネットの記録にあった内膳落合の標柱が見当たらなかったので、地図で確認すると橋を渡った先にあるはずだが、その橋がまだなかった。そこで更に進むとすぐに橋があり、これを渡るとまた左に入る道が現れた。ここも標柱がないので少し先に行くと右側に内膳落合の標柱があり、左側には『本谷山登山道←』という看板が置かれていた。ここまでの林道歩きで十分にウォーミングアップも終わり汗もかいてきたので1枚脱いで一休みした。
紅葉のピーク やせ尾根の松 三十倉
中尾ツルネは取付きからいきなり急な登りで、木の枝や根に捕まりながら進む。途中には鎖も取り付けられ、刈り払いもされてよく整備されている。10分ほど登ったところで『危、この先スズメバチの巣あり、注意 H20.9/7 中之岳救助隊』という看板が下がっていた。時間的には気温が低いので大丈夫だろうと思いながらも注意して進んだ。ここに昨年登ったネットの記録にも、もっと先でスズメバチに出会ったという記述があったのでスズメバチが多いのかもしれない。それにしても登山道の整備といい、この注意といい、きっとボランティアであろう中之岳救助隊の皆さんには感謝である。ここから先も木の根の張った細尾根の急な登りの連続である。1時間も登ったところで少し眺望も開けてきた。辺りは紅葉、黄葉となり、まわりの山々にも日が当たりきれいである。左には中ノ岳、後ろには鋭鋒八海山が大きく見える。松の木の生えた岩場のやせ尾根で景色を楽しみながら1本取る。
森林限界から振り返った登山道 本谷山への稜線 小さな池
休んだところから少し下り、再び急な登りを進むと40分ほどで雨量観測所の四角い建物にでる。更に10分ほど進むと三十倉と呼ばれる1297mの三角点ピークに到着する。ここから道は一旦大きく下り、再びの急な登りとなる。左側には中ノ岳から丹後山への山並みが現れ、正面には逆光であるが本日の目的の本谷山方面も見えてきた。空には雲ひとつなく申し分のない上天気である。森林限界の手前で中ノ岳の写真を撮っていると人の話し声が聞こえてきた。私よりも年配と思われる男性の二人組が追いついてきた。私より十字峡を20分ほど遅く出発してきたということだが、健脚でもう追いついてしまったようである。この山の記録では皆さん誰にも会わなかったというのが多かったので少し驚いてしまった。森林限界を過ぎたところで、後ろを振り向くと紅葉のピークの中に先ほどの雨量計測所の四角い建物が白く小さく見える。だいぶ高度を稼いだようである。しばらく先に進むと先ほどの二人組が休んでおり、それを追い越した。以後頂上まで私が少し先を歩いた。
頂上から見た小穂口の頭と遠く巻機山 本谷山頂上 中ノ岳、丹後山
道は笹原を刈り払った歩きやすいものとなり、稜線沿って左側に曲がりながら登って行く。右側の谷を隔てた向こうには、桑ノ木山からネコブ山、下津川山へと続く稜線が大きく広がり、左側には以前に歩いた中ノ岳から丹後山へと繋がる利根川源流の稜線が大きく広がる大パノラマである。小穂口の頭まで来ると桑ノ木山の後ろには巻機山も顔を出し、丹後山の後方には尖った三角ピークの荒沢岳も見えてきた。小穂口の頭からやせ尾根を少し下り登り帰すといよいよ本谷山のピークである。ネットの記録で見た小さな池も右下に見えた。ついに頂上というところで頂上から一人が降りてきた。更に頂上にはもう一人が休んでいた。なんと今日は、単独行2組、2人組と私以外にずいぶんと多く(?)の人がこの山に登っていたものである。頂上は木の棒が刺してあるだけで山頂標識もなく、登山道よりは少し広く刈り払われた場所だった。しかし、遮るものは何もなく、越後沢山への稜線から始まり荒沢岳、丹後山、中ノ岳、八海山、桑ノ木山、巻機山、下津川山、上州武尊山、至仏山、そして谷を隔てた向こう側には大きく広がる平ヶ岳とその後ろに燧岳と360度のまさにパノラマである。
越後沢山、荒沢岳、丹後山 平ガ岳、燧岳 下りに振り返った本谷山
先に頂上にいた方と話をすると先ほど下山された方は、越後沢山から来たとのことだった。越後沢山まで行ってみたいという興味はあったが、道もはっきりしないし、時間的な余裕もないので今回は無理かなと思った。それに以前は小穂口の頭までの刈り払いだった登山道も本谷山まで繋がったので、もしかするといずれは越後沢山、丹後山と繋がるかなとも思った。ここで周りの景色を十分に楽しんで昼食休憩を取り下山した。下りでも感じたがかなりの急斜面の連続である。紅葉は森林限界の先では終わってしまったが(ネットの10月初頭の記録を見ると森林限界の先の稜線もきれいである)、三十倉付近では今が盛りである。本谷山は登り5時間、標高差1400mのボリュームたっぷりの歩きと圧倒的な眺望に恵まれた私のトップ10に入る実にすばらしい山である。もう一度秋に、そして今度は越後沢山まで登りたいものである。
小穂口の頭 本谷山稜線 岩場の松と紅葉(後は中ノ岳)
TOP 記録 2008
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