爺ヶ岳 爺ヶ岳
長野県大町市 標高 2,670m
【登山日】 2008年 7月23日
【登山コース】
登山口[4:26]→ケルン[5:23]→石畳[6:16]→種池山荘[7:20]→[8:13]爺ヶ岳[8:23]→[8:41]南峰[9:05]→種池山荘[9:20]→登山口[11:05]
ここのところ地元の既登の山歩きが続き、未知の山に登りたいという欲望が頭をもたげてきた。そうなるとこの季節やはりアルプスでしょうということで、時間、ガソリンの無駄と日帰りという日程の無謀を重ねて北アルプス北部の爺ヶ岳に出かけてきた。爺ヶ岳については一昨年に、1泊2日で扇沢を起点にいくつかのコースを検討したときに十分調べてあったので躊躇なく行くことにした。(一昨年の計画は台風のために中止になった。)
朝焼けの雲 大きく根の張った木々 家から扇沢まで距離を測ると200キロ弱あるので、高速を使わなければ4時間はかかるだろうと推定して、前夜0時前に家を出た。吾妻方面を進み鳥居峠を越えて須坂市、長野市と進み、カーナビに従って大町に向かった。大町市街から扇沢に向かう道路では真っ暗闇の中、脇から鹿が飛び出してきて急ブレーキで避けたが、実に驚いた。扇沢に到着したときはまだ暗くて駐車場所や登山口がはっきりしなかった。よく分からずに、一番奥のターミナルまで進み、周回して戻り、柏原新道の登山口前のスペースが空いていたのでそこに落ち着いた。暗い中朝食を軽く食べ、明るくなるまで1時間ほど仮眠をした。明るくなってきたのでいよいよ身支度を整えて出発である。1時間でも寝るとすっきりするものである。
柏原新道の入り口は、川の左岸にある。川の音を聞きながら登り始める。今日は爺ヶ岳まで標高差1100mを登るので、ともかくゆっくり登ることを心がけて進んだ。扇沢といえども蒸し暑く登り始めてすぐに汗が噴出してきた。登りは急だが道はよく整備されていて、周りにはヒノキなどの針葉樹が大きく根を張っているところもあり、ちょうど白毛門の登りに似た感じである。空は明るくなり、雲に朝日が当たって赤くなる。まわりの山々にも 日が当たり赤くなる。上空には雲が多く、天気はこれからよくなるのか悪くなるのか微妙なところである。見晴らしの利くところに出る扇沢のターミナルが見えその向こう側に蓮華岳、針ノ木岳が見え始める。針ノ木雪渓と思われる谷は、はっきりと見えるが針ノ木岳の山頂部は雲に隠れていた。小1時間ほど歩いたところでケルンが積まれた場所に出たので休憩した。ゆっくりと来たせいか足も順調で3日前の谷川岳の疲れも感じない。更に進んでいくと左側には谷を挟んで針ノ木岳から爺ヶ岳へと続く稜線が大きく見える。この辺りから傾斜は緩み、ゴゼンタチバナ、ヨツバシオガマなどの花も現れ始めた。やがて岩だらけの登山道となり、進むと「石畳」という標識があった。まさに言い得て妙である。ここで2本目の休憩を取った。
ケルン 蓮華岳、針ノ木岳 石畳
石畳を抜けると道は水平道と書かれた傾斜の緩いところを進む。その先にはガレた斜面をトラバースするところもあり、残雪を横切るところもあった。これらを注意しながら進むと花が更に豊富になり、マイズルソウ、イワカガミ、アカモノなどが道脇に咲いていた。更に進むと、道は傾斜を増し、曲がりくねり、それを抜けると種池山荘が見えてきた。種池山荘の周りには残雪も残り、ハクサンイチゲ、シナノキンバイなどが花畑となって咲いていた。山荘の前ではこれから下山する中学生が集会のようなことをしていた。長野では中学生や高校生がアルプスに集団登山をするという話を聞いたことがあったが出会ったのは初めてである。これをよけて、山荘の名前にもなっている種池という小さな池を眺めながら休憩した。好天ならば眺めのいい場所だと思われたが、残念ながらガスが巻いていて遠望は得られなかった。しかし、爺ヶ岳は山荘からそのピラミダルな姿が見られた。
山荘手前の花畑 種池山荘 残雪と爺ヶ岳
爺ヶ岳へは山荘横の残雪を歩き、ハイマツの間にまっすぐ見える道を登る。天気は悪化してきてガスが巻き始め、爺ヶ岳南峰の頂上にもかかってきた。登りはそれほどきつくはなく、岩の多いガレた道を進む。南峰は帰りにまわし、トラバスース道を進み、爺ヶ岳本峰である中央峰に向かった。南峰と中央峰の鞍部には、ロープが張られその向こうにはコマクサが咲いていた。中央峰に登り、そこで大休憩をした。朝も早かったのでおにぎりを食べながらガスが晴れるのを待った。鹿島槍ヶ岳方面は冷池山荘までは見えるがその上はガスに隠れてしまった。種池山荘方面も後ろの立山連峰は、ガスの切れ間から時々のぞく程度であった。中央峰から南峰へと移ったが天気は相変わらずで、残念ながら絶景に出会えなかった。帰りは来た道を戻った。朝、山荘にいた中学生を途中で追い越し下ると登山口付近では今度は別の中学生たちが登ってきた。集団登山の最盛期なのだろうか。登山7時間に対して往復8時間の実に無駄な登山だったが未知の山域に行けて大満足であった。
中央峰 南峰と蓮華岳方面 種池山荘と立山方面
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