日光白根山、錫ヶ岳 錫ヶ岳
群馬県片品村、栃木県日光市
日光白根山(2,578m)、白根隠山(2,410m)、白檜岳(2,394m)
錫ヶ岳(2,388m)、前白根山(2,373m)、五色山(2,379m)
【登山日】 2008年 7月5日、6日
【登山コース】7月5日
菅沼登山口[9:41]→[11:09]弥陀ヶ池[11:40]→五色沼避難小屋[12:15]→[13:09]日光白根山[14:20]→五色沼避難小屋[15:10]
今回は珍しく単独行ではなく、パーティでの登山をした。目標は錫ヶ岳で、1日目はのんびりと日光白根山に登る予定でいた。しかし前日に利根沼田地方に降った雷雨の影響で最初の計画は少し変更してのものとなった。
菅沼登山口 弥陀ヶ池 最初の計画では、ゆっくりと出発して、日光白根山に登ってから五色沼避難小屋に宿泊する予定であった。しかし、前日に利根沼田地方では午後の早い時間から雷雨と落雷があったので、少し早めに出かけて避難小屋でゆっくりしようというリーダーの提案で出発は早くなった。菅沼登山口に9時半頃到着すると、さすがは日本百名山、もう駐車場はほとんどいっぱいである。どうにか駐車スペースを見つけ、支度をして出発した。今回は泊まりの登山なので、寝袋や食料、アルコール類などいつもの倍以上の荷物を背負っているので、ゆっくりと進む。天気は予報を上回る好天でかなり暑く、夕立も心配なほどである。40分ほど歩いて、左側が大きく崩落した小広場で休憩した。もう汗が滴り落ちだした。さらに小1時間ほど新緑の中を歩くと弥陀ヶ池に到着した。いつもより重い荷物の割には順調にここまで登ることが出来た。
弥陀ヶ池からの白根山 五色沼からの白根山 五色沼
出発した時間が遅いので、弥陀ヶ池で昼食となった。天気が良いために日差しが強いので木陰で十分に水分を採りながらゆっくりと休んだ。この天気では雷が心配だという慎重なリーダーの提案で、とりあえず重い荷物を避難小屋に先に置いてから日光白根山に登ろうということになった。雷の心配より、いつもより重い荷物に疲れていた私は大賛成である。新緑が萌え上がるような火口原を五色沼から避難小屋まで歩いた。五色沼から避難小屋までの樹林帯にはまだ残雪も少しあった。それより驚いたのは、鹿がかなり多くいたことである。鹿は人を恐れることなく回りをうろちょろしていた。
小屋付近の鹿 五色沼避難小屋 登山道
避難小屋に到着するともちろんまだ誰もいない。小屋の中は思ったより広く綺麗なことに満足し、荷物を置いて、日光白根山にサブザックで出かけた。一気に肩が軽くなり、全く何も背負っていないのと同じようである。鹿のたくさんいる樹林帯を抜け、ガレた急斜面を日に焼かれながらゆっくりと登った。同行者によると10年くらい前にこの斜面を登ったときより樹林帯は後退しているらしい。どうやら酸性雨などの影響で木々が立ち枯れてしまったのではないかとのことである。ただ、このガレた斜面は登山者が真っ直ぐ下ってしまうせいで、百名山故のオーバーユースのせいではないかともいっていた。たっぷりの汗をかいて頂上手前の平坦部に出ると中学生がたくさんいた。先ほど弥陀ヶ池で昼食を採っているときに聞いた声の主たちのようであった。聞いてみると水戸市から昨日来て、今日は登山ということらしかった。これだけの好天に恵まれれば楽しい登山となったのではないかと思う。我々は頂上に登り、時間も早く雷の気配もまだないので、頂上北西の草地で昼寝となった。30分ほど涼しい風に吹かれて寝ていると頂上付近が騒がしくなってきた。しばらくその様子を聞いているとどうやらツアー登山者のようで慌ただしく頂上で写真を撮り、降りていった。これも百名山故なのか。
五色沼 奥白根神社と錫ヶ岳 日光白根山
中学生もいなくなり、ツアー登山者もいなくなりすっかり静になった頂上にもう一度訪れ下山した。これだけ頂上からの登山者が早く下山してしまうのだからほとんどは日帰りなので、今夜の避難小屋は貸し切りかと思ったが、もうひと組が泊まりとなった。それでも小屋は広いのでゆっくりとしたスペースで休むことが出来た。小屋に落ち着いたところで、一人はビールを冷やすための残雪を取りに行き、私は五色沼から前白根山へ登る途中にある水場に出かけた。水場は斜面の途中に突然流れが現れている。水量も豊富できれいである。ただ小屋から遠いのが玉にキズである。早速酒盛り兼夕食となり、夕方7時頃には寝てしまった。小屋の回りには夜も鹿が多くいたようで、外で鳴き声が聞こえていた。

【登山コース】7月6日
五色沼避難小屋[5:39]→水場[6:00]→白根隠山[6:57]→白檜岳[7:19]→錫ノ水場[8:14]→錫ヶ岳[9:07]→前白根山[11:40]→五色山[13:11]→菅沼登山口[14:20]
早朝の五色沼と白根山 白錫尾根から見た白根山 白錫尾根から見た男体山
朝は4時に起き、朝食を食べて5時半に避難小屋を出発した。水が不足していたので五色沼から水場を経て白錫尾根に登った。天気は今日も素晴らしく白根山もきれいである。尾根に左には中禅寺湖から男体山などの日光の山々も見えている。避難小屋からの道と合流したところは白錫尾根に入らないように枯れ木で塞がれていた。これもまた百名山故か、白錫尾根に関係のない人が入らぬようにしているのだろう。合流点の先に荷物をデポし、サブザックで錫ヶ岳へと向かった。その先の雨量計測小屋は、以前に見たとき太陽電池用のパネルが付いていたが今回はなかった。もう稼働していないのだろうか。気持ちの良い緑の尾根を短くアップダウンしていくと白根隠山に着いた。先には白檜岳、錫ヶ岳も見え、その先には皇海山も、そして左には中禅寺湖方面がハッキリと見えてきた。
雨量計測小屋 燧岳 白根隠山
さらに、白根隠山を下るとガレた急な下りとなる。ここは真っ直ぐ降りるよりもその手前で左にトラバースして降りた方が簡単である。その先も狭い岩尾根となっているので、注意して進む。さらに下ってもう一度登りあげると白檜岳に着く。ここで一休みしてさらに進む。前回来たときには稜線上は雪に覆われていたが、今回は全く雪はなく、笹の中に細く刈り払われたと思われる夏道がハッキリと分かる。白檜岳から1時間ほど歩くと右の方から川の流れる音が聞こえてきて、錫の水場に出る。前回、水場を確認していなかったので、水場に降りてみた。水場は5分ほど降りたところにあり、あまり水はない。先ほどの川の音はもっと下の方からしていたようだ。ここでも休憩を取り、いよいよ今回の目標の錫ヶ岳に向かう。
白根隠山 男体山と中禅寺湖 白檜岳
40分ほど笹原の急な斜面を登ると頂上手前で一旦窪んだ場所に出て、その先で錫ヶ岳頂上となる。頂上は樹林の中にあり、あまり展望はない。ただ唯一中禅寺湖方面が望める。笠ヶ岳方面お踏み跡も調べたが、どうもハッキリしないし、先がどれほどの藪になっているのかも分からなかった。また、錫ヶ岳から先のかつての登山道も少し進んでみたが、この先どれほどしっかりしているか判断できなかった。しかし前回は気付かなかった三等三角点を見つけることが出来た。(ちなみに錫ヶ岳の山頂標識のところにあるのは御料局三角点)今日は温度も上がってきて、風もないため非常に蒸し暑い。荷物が軽いせいか、予定より遙かに早い時間に錫ヶ岳に到着したので昼食にも早いので戻ることにした。白檜岳まで戻ったところで昼食をとり、前白根山、五色山を回り帰路についた。五色山で休んだあたりで、日光方面から雷が鳴り始め、下山の途中で土砂降りとなり、駐車場に着いたときはぐしゃぐしゃになってしまった。さらに車で帰るときもものすごい雨となって、まさにバケツの水をひっくり返したようであった。2日間の好天のツケが一気に来たようであった。
皇海山方面 錫の水場 錫ヶ岳三等三角点
TOP 記録 2008 群馬百名山 群馬の300山
inserted by FC2 system