谷川馬蹄形縦走 笠ヶ岳、朝日岳
群馬県みなかみ町、新潟県湯沢町
白毛門(1,720m)、笠ヶ岳(1,852m)、朝日岳(1,945m)、七ツ小屋山(1,675m)、武能岳(1,759m)、茂倉岳(1,978m)、一ノ倉岳(1,974m)、オキの耳(1,977m)
【登山日】 2007年 9月28日、29日
【登山コース】
28日

白毛門登山口[4:52]→ヒノキのウロ[6:06]→松木ノ沢の頭[7:11]→白毛門[8:11]→笠が岳[9:28]→朝日岳[11:03]→ジャンクションピーク[11:27]→昼食→白崩避難小屋[12:56]

29日
白崩避難小屋[5:26]→七ツ小屋山[6:37]→蓬峠[7:21]→武能岳[8:25]→茂倉岳[10:21]→一ノ倉岳[10:39]→オキの耳[11:40]→天神平ロープウェイ駅[13:11]
以前から一度はしてみたいと考えていた谷川馬蹄形縦走を実現した。1ヶ月ほど前から計画をし、いろいろな可能性を考えていた。谷川馬蹄形縦走ならば典型的なコースがあるのになぜそんなに綿密に計画したかというと、馬蹄形縦走に主脈縦走をプラスして1泊2日で実現できないかと考えたのである。残念ながらいろいろな要因で、結果としては馬蹄形縦走のみとなった。しかし、当日は最大限のコースは馬蹄形縦走ブラス主脈縦走として出発した。
朝日の谷川岳東壁 朝日の登山道 今日は、そんなつもりなので白毛門登山口の駐車場には4時半ごろに到着した。まだ辺りは暗く谷川岳の上には見事な満月の月が出ている。縦走ということでいつもに比べて大きなザックを背負った。中身は17kgぐらいだが肩にずしりと食い込む。暗いのでヘッドライトをつけ、熊よけの鈴を鳴らしゆっくりとスタートした。白毛門への登りはいつものことながらいきなり急である。9月末の夜明け前だが今年は残暑が厳しく蒸し暑い。もうすでに汗が滴り落ちてくる。荷物も重いので今回はストックも使いながら登る。ヒノキのウロあたりでやっと日が昇ってきた。谷川岳の東壁も赤く染まり、すばらしい眺めである。登山道も朝日を受けて赤くなる。きわめて短い時間だが、こんな景色に出会えた幸せに感謝したくなってしまう。
白毛門 白毛門頂上 今日は天気が良さそうでかなり暑い。こまめに水を補給しながら登る。ほとんど夏の登山と変わらない陽気である。樹林を抜け、松木ノ沢の頭を過ぎると少し風が出てきて気持ちがいい。じじ岩、ばば岩を右に見ながら稜線を登り上げ白毛門に到着する。周囲の眺めはすばらしく、武尊山、朝日岳、笠ヶ岳、谷川岳すべてくっきりと見通せる。今日の予定としては、明日主脈縦走をするために、茂倉岳避難小屋まで行く必要があった。しかし、天気予報では午後から雷雨と報じており、この暑さと合わせて実現可能性はこの時点で50%ぐらいに下がっていた。
朝日岳への稜線と避難小屋 巻機山 白毛門から大きく下り再び登り上げるとそこが笠ヶ岳である。天気は相変わらずすばらしく、馬蹄形の向かい側にあたる蓬峠の蓬ヒュッテの黄色い建物も確認できる。朝日岳方面にはカマボコ型の笠ヶ岳避難小屋があり、その先にはこれから進む稜線がきれいに見えている。小烏帽子、大烏帽子と進み朝日岳に到着する。5年前に来たときはガスっていて、朝日ヶ原も見えなかったが、今回はすばらしい見晴らしで、尾瀬方面や巻機山もはっきりと分かる。
朝日岳山頂 奥は谷川岳 朝日ヶ原 前回ただ通過しただけの朝日ヶ原や宝川温泉への分岐などを確認しながらここからしばらく下りとなる。さすがに疲れて腹が減ってきたのとこれからどうしようかということもあって、稜線途中で昼食休憩とした。ここで考えたのは、これから普通に降りて清水峠には13時前には到着するだろう。その後、無理をしなくても5時間あればそこから茂倉岳に十分到着できるだろう。茂倉岳避難小屋に着くのは18時頃で、暗くはなるがそれほど危険なところはなく、ヘッドライトをつければ対応できるので予定通り行こうと考えた。それにもし、途中でバテてくれば、蓬峠のヒュッテに泊まろうと計画を確認して再びスタートした。実現可能性は再び80%ぐらいに上がった。
清水峠 清水峠への稜線 奥は七ツ小屋山、大源太山 清水峠に向かってどんどん降りていくと池塘を通り、4本足の送電鉄塔が見えてきた。この辺りから天候が怪しく成りだし、清水峠には新潟、群馬の両側からガスが吹き上げてきた。そして空も暗くなり、白崩避難小屋に着く頃には真夏の夕立を思わせる天気になってきた。避難小屋で様子を見ていると激しい雷雨が降り始め、天気予報通りになってしまった。さすがにこの天候には、気持ちもそがれ回復するまで避難小屋で待つこととなった。雷は1時間ほどで収まったが、雨は降り続いたのでここで宿泊することにした。家にいる妻に計画の変更を連絡した。暗くなるまでの長い午後の時間はラジオを聴きながらすごした。暗くなるとすぐに夕食の支度をし、ささやかなディナーを楽しんだ。この夜は結局小屋は独り占めで、8時頃には寝てしまった。

稜線の池塘 七ツ小屋山頂上 29日は、さすがに朝4時半頃には目が覚めた。十分な睡眠をとったので、朝食の支度をし、ゆっくりと食事をして出発した。この白崩避難小屋はきれいで過ごしやすいのだが、ひとつ気になったことがあった。小屋の床下にたくさんのコンビニ袋などのゴミがあったことである。これもマナーの悪さなのか?あるいは何かほかにあるのか?外は、昨日の雨はやんでいるのだが、相変わらず濃い霧に覆われて全く視界がない。白崩避難小屋からJR監視小屋さえおぼろげに見える。道端の花に慰められながら登山道をゆっくりと七ツ小屋山へと登っていく。夜が明けてくるとともに霧も少し晴れてきた。出発して30分ほどたつと新潟側からガスがとぎれ稜線が現れてきた。稜線の左側には池塘も現れてきた。朝日も差しはじめた頃、七ツ小屋山頂上に到着した。
蓬ヒュッテ 七ツ小屋山頂上で一休みしていると再びガスが巻いてきて、残念ながら見通しは利かなくなってしまった。ここから稜線を下っていくと霧の中に突然黄色い建物があらわれた。蓬ヒュッテである。外から見たところではまだ起きていないようである。その脇のキャンプ場にはテントが一張りだけあり、撤収の最中であった。昨日はあの雨の中を張ったのかと考えると大変だったなと感じる。さらに進むと反対側から1組の夫婦の登山者が現れた。挨拶を交わしすれ違った。(そういえば昨日は、平日のせいか1人の登山者とも会わなかった。)さらに、進むと単独行の男性と出会った。この方は話し好きなようでしばらく話し込んだ。昨日は茂倉岳避難小屋に泊まり、先ほどの夫婦も一緒であったとのことである。なかなかの健脚で谷川連峰には精通されているようで、いくつか参考になる話も聞けた。
一ノ倉岳 武能岳に到着するとさすがに昨日の疲れも出てきた。これではたとえ昨日、茂倉岳避難小屋まで行っても主脈縦走は無理だったなと思った。茂倉岳へは一旦笹平まで下り、後はひたすら急な登りという記憶があったので、構えて登りはじめた。紅葉の笹原を登っていくと雨具を付けた団体が降りてきた。時間からいってこの団体も茂倉岳避難小屋に泊まったのだろう。私と違ってこちらの避難小屋は大賑わいのようである。そこからしばらくであっけなく茂倉岳頂上に到着してしまった。覚悟を決めて登った割にはあっさりと行けたのは、霧で先が見えなかったのが良かったのかもしれない。茂倉岳から一ノ倉岳は今までに比べると平坦であっという間に着いてしまった。一ノ倉岳頂上付近では一瞬霧が晴れて青空がのぞいた。頂上を通過するとき、珍しく堅炭尾根から登ってきた登山者と出会った。
天神尾根から見た西黒尾根 一ノ倉岳から先は幾度も通った道であり、霧に包まれているので淡々とオキの耳まで歩いた。登山道は、奥の院の辺りから急に賑やかになり、今までの山とは別世界な感じである。肩の広場からは西黒尾根を降りるか、天神尾根からロープウェイで降りるか迷ったが、天候も悪いので天神尾根に降りた。最初の遠大な計画(無謀?)とは違って馬蹄形縦走となったが、もちろん1度は回りたかったコースなので大満足である。帰りは日帰り温泉により、2日間の汗を流した。
TOP 記録 2007 群馬百名山 群馬の300山
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