雁坂峠・笠取山 笠取山
山梨県山梨市、埼玉県秩父市 
水晶山(2,158m) 古礼山(2,112m) 燕山(2,004m) 笠取山(1,953m)
【登山日】 2004年 5月26日
【登山コース】
料金所駐車場[6:30]→雁坂峠[8:40]→雁坂小屋[9:00]→水晶山[9:35]→古礼山[9:55]→燕山[10:45]→雁峠[11:00]→[11:35]笠取山[12:00]→水干(みずひ)[12:20]→新地平[14:20]→料金所駐車場[14:55]
平日に休みを取ることができて、天気もそう悪くはないようなのでどこに行こうか1週間ほど前から検討していた。その結果、以前から奥秩父のガイドブックを見るたびに気になっていた気持ちの良さそうな笹原の斜面の写真の場所の現物を眺めに行こうと思い、先週に続いて県外遠征となった。目的地は雁坂峠である。朝4時に家を出て、渋川から藤岡まで高速道路を使い、鬼石町から杉の峠を越えて秩父市に、そして国道140号線で三峰神社方面から雁坂トンネルを抜けた。おおよそ2時間半のロ ングドライブで目的の登山口に到着した。
ロープの設置された沢の登り 雁坂トンネルの料金所をくぐるとすぐ両側に舗装された駐車場がある。今回は雁坂峠(かりさか)から雁峠(がん)を周回して、広瀬湖の新地平に降りてくる予定なのでもっと先の場所に駐車するか迷ったが、トイレもありきれなのでここをスタートとした。駐車場の端の進入禁止ゲート付近に登山口という木の看板があった。ゲートの横を歩いて抜けると舗装された林道が雁坂トンネルの上のほうに続いている。しばらくは、トンネル工事のときの工事用道路であったと思われるこの舗装林道を進む。まわりはまさに燃えるような新緑がすばらしく、山座同定はできないが破風山か雁坂嶺らしいピークが見える。左側からは沢の音が聞こえ、トンネルの上を川が流れているのかななどと考えながら進んだ。やがて舗装された道路の終わりに橋が架かっていて、そこは沢の出会いとなっていた。ここからいよいよ登山道となる。
峠から見えた富士山 雁坂峠 登山道は、沢に沿った片斜面の道を登っていく。もうミツバツツジは終わりだとみえて道上に花が落ちていた。道は沢に降りて幾度かの渡渉を繰り返し、登山道自身が小川のようになったところなどを通り、最後は沢を離れて、笹原の中の急登となる。この辺りになると高度が上がったせいか満開のミツバツツジを見ることができる。この急な斜面の登りは1時間ほど続くが、視界が開け見事な眺めが現われ、疲れを癒してくれる。後ろを振り返ると富士山、そして右にはこれから歩く雁坂峠から雁峠への稜線上の山々を見ることができる。また左には国師ヶ岳や甲武信岳方面の山並みが見事である。だいぶ汗をかいた頃に峠に到達した。木の看板には「日本三大峠 雁坂峠」と書かれていた。ここからの眺めはすばらしく、雁坂嶺方向には写真で見たのと同じ笹原が広がっていた。景色も、天気も、とても気持ちが良い。まさに山歩きの醍醐味である。しばらく景色を楽しみながら休憩を取った。
雁坂小屋 シャクナゲの花 雁坂峠から少し下り雁坂小屋を偵察に行った。いつか奥秩父を縦走するときに宿泊をしてみたいと思い、行ってみた。水も豊富でなかなか綺麗な小屋である。管理人は平日のせいかいないようである。大きな建物には埼玉国体宿泊所というような 看板も下がっていた。
苔むした林 古礼山 雁坂小屋から稜線に戻り、林の中を進んでいく。倒木には苔が生え、深い森の奥秩父らしい道である。30分ほどで水晶山のピークに達した。そこからの下りは正面の眺めもよく、気持ちよく下っていく。再び、登り返して行くと巻き道と頂上への分岐にでる。古礼山の方に向かうとひと登りで立派な標柱のある古礼山頂上に達する。ここで少し雲に霞んできた富士山を眺めながら一休みする。古礼山から少し下ると右の笹腹の中になぜかテーブルが設置されいて休めるようになっていた。下りきって再び登り始めると少し岩混じりの尾根道となり、燕山頂上付近にはシャクナゲが咲き始めていた。また、所々にオオカメノキの白い花も見ることができた。水晶山、古礼山の驚くほど立派な標柱とは対照的に燕山の頂上には薄汚れた標識が木に掛けられているだけであった。ここから小ピークを越えると笠取山と思われるきれいな円錐形の山が見えてきた。道は急な下りとなり、下に雁峠の看板や休憩用のいすやテーブルが見えてきた。
上から見た雁峠 雁峠小屋 雁峠も笹原の中の気持ち良い場所である。今日の予定では、ここまでにあまり時間がかかるようならば笠取山は省略して、新地平に降りるという計画であったが、ガイドブックなどから算出した時間よりかなり早かったので笠取山に向かうことにした。雁峠から笹原を進むとすぐ左に雁峠小屋があった。雁坂小屋とは比較するべくもなくまさに廃屋の状態であった。
小さな分水嶺 笠取山 さらに笠取山方面に進むと「小さな分水嶺」という標柱があり、ここは富士川、多摩川、荒川の3つの川の分水嶺となっていた。面白い場所に面白いものがあるものである。笠取山西斜面は頂上に向かって一直線に登山道がついている。ここが今日見たかった2つ目の場所である。見た目には気持ちの良い道であるが登り始めるとそう長くはないが、かなり急でつらい登りである。この山は東京都水源の山ということでいろいろな表示がされている。登山口から雁峠まで1人しか人に会わなかったのに、笠取山に近づいたとたんに5組のグループに出会った。作場平方面から簡単に登れて眺めが良いせいか人気の山のようである。頂上の標柱は西に山梨百名山の笠取山のものがあり、それより少し東に行くとシャクナゲの花の中に埼玉県・環境庁のものがある。どうやら東が本当の頂上のようである。それにしてもなぜ2つあるのか?自治体の縄張り争いなのか?ここでお湯を沸かしながら昼食を取り、ゆっくりと休んだ。
水干 広瀬湖 東斜面を下り、周回して雁峠に降りていった。途中に水干という多摩川の源流という場所があった。説明板によればここからの一滴が水干沢、一ノ瀬川、丹波川そして奥多摩湖に注ぎ込みそこから多摩川となるらしい。来た道を雁峠まで戻り、沢添いに広瀬湖のある新地平に降りていく。途中の沢にはクリンソウやミツバツチグリ(?)などが最適持ちの良い道である。登山道は水が溢れほとんど沢のような所があった。そこを猫ぐらいの黒い動物が逃げていった。そのあと上の崖際にその動物はいた。どうやら狸のようであった。道は舗装はされていないが平らによくならされた林道になり、沢に沿って下っていく。途中では、木の伐採作業も行われていた。また、道の真ん中にシマヘビが横たわっていた。死んでいるのか生きているのか反応がないので、石をいくつか投げてみた。しかし、ビクともしないので近づいてみるとゆっくりと動き出し驚いた。どうやら寝ていたようである。やがて亀田林業の作業場に出て、その先には進入禁止のゲートがあった。そこから1キロほどで、国道140号線に出て、すぐに右に上がる道を行くと進入禁止のゲートがあり、その先は鶏冠橋の下を通る朝の舗装された林道に繋がっている。予定より遙かに早い時間で駐車場に着き、充実した山行きが出来て大満足である。帰りは朝の逆コースを戻り朝と同じ2時間半で家に着いた。
TOP 記録 2004
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