檜沢岳、天狗岩、烏帽子岳
群馬県 長野原町 東吾妻町
檜沢岳(733.9m)、天狗岩(733.9m)、烏帽子岳(733.9m)
【登山日】 2003年 4月29日
花の噂もちらほら聞こえてきたので、西上州に出かけることにした。歓送迎会で飲みすぎたり、仕事が入ったりでここのところ天気のいい休日にも山へ出かけずにいた。早くしないと花が終わってしまうよとあせりながらやっとでかけることができた。西上州ならばやはりはしごをして2座ぐらいは登りたいと考えていたので、前回に続き檜沢岳と天狗岩・烏帽子岳のレンチャンを計画し、檜沢岳を目指して出発した。
檜沢岳
【登山コース】
大森橋[6:25]→西峰と本峰の分岐[7:15]→西峰[7:25]→檜沢岳[7:40]→岩陰の神社[7:52]→大森橋[8:30]
麓から見た檜沢岳 朝5時に家を出発して、檜沢岳登山口へは6時20分ごろ到着した。春らしくなのか空は晴れているのだが山々は少し霞んだ状態でぼんやりとしている。だいぶ通いなれた道を下仁田から南牧村へ進み上野村方面の塩ノ沢峠へ向かう道を進んだ。広い道もあるが一部の道は狭くてすれ違うのも大変である。檜沢岳登山口の大森橋には朝早かったせいか予定より早く着いた。ガイドブックにあったいくつかの駐車場に行ったがどうも停められそうになく、結局大森橋まで戻り道路わきに停めた。
「龍徳不?天」という石碑 大森橋からは舗装された道を登り、分岐点を左に橋を渡ると根草の集落の方に上がっていく。道は直進できるが、右にある駐車スペースの脇に入り、家々の間の段々畑のあぜ道のようなところを登っていく。するとすぐに人家の軒先に出る。ここには「Saitou」と看板が下げてある。この民家の前を通らしてもらい、この民家の裏を登る。この辺りには花が多く、山にはヤマブキ、家々の庭にはいろいろな花が色とりどりに咲いている。春らしい景色である。しばらくは荒れた畑のような斜面を踏跡に沿って登る。たくさんの人が通っていると思うのだが道は荒れているしはっきりしない。民家裏の斜面からすぐに杉の植林に入る。道は一気に急登となり汗が吹き出る。今日はあまり調子が良くないようで疲れる。後から登ってきている人がいるようで、その鈴の音に追われるような気がしてうまくペースが取れない。杉林はすぐに終わりツツジなどの多い雑木林になる。山の下の方ではアカヤシオは散ってしまったのか花が登山道に落ちている。ある程度高度を上げてくるとアカヤシオの花をつけたものがだんだん増えてきた。「龍徳不?天」という石碑のあるところが見晴台となっていてここで一休みして後続者を先にやった。ここからは西峰の岩肌に咲くアカヤシオの姿がよく見える。ここより少し進むと例の「福岡かんだ猿」の「ガンバレ!!山頂迄10分」のプラスチックプレートが下がっていた。そこから1,2分で西峰と本峰の分岐に着いた。本峰に向かう方には岩肌にロープが下がっている。
西峰 まずは西峰の方へ分岐を左に進む。かなり急な斜面を木に掴りながら登るとすぐに開けた頂上に出る。頂上には石の祠がある。展望は360度あり絶景である。少し霞んではいるが小沢岳などの近隣の山々が確認できる。ここからさらに西にもう一つ岩峰があり、どうやらここから進めそうなのでいってみる。ひとつ奥の岩峰から西峰を見ると逆光の中アカヤシオに彩られて面白い眺めである。これら二つの岩峰の鞍部にはアカヤシオなどの花がたくさん咲いていて見事である。今年初めてのアカヤシオを存分に堪能した。
檜沢岳神社 檜沢岳頂上 分岐点に戻り、ロープのある岩を越えて登るとすぐに頂上となる。頂上には木の祠と石の灯篭があり、周りにはアカヤシオが咲いている。ここからの眺望も素晴らしく、特に先ほど登った西峰の眺めが実にいい。頂上から上ってきたのとは反対方向に進むと急な下りの下山道となる。しばらく降りると岩陰に古くなった東屋が立っている。その奥の岩の中には壊れかけた祠が祀られている。上に打ち付けられた寄付のの奉加帳のような看板には檜沢岳神社と書いてある。ここにはこの近辺の御荷鉾山や立岩の威怒牟畿不動と同じように剣が祀られていた。檜沢岳神社からは杉の植林の急な斜面をジグザグに降りる。降り切った所で沢を渡る。この沢沿いには、ニリンソウが群生していて見事である。沢の向こうは林道となっていて、それを下ると登るときに左折した集落の分岐点にぶつかる。天気もまあまあで、今日の1座目は少し疲れたが順調に楽しめた。
天狗岩、烏帽子岳
【登山コース】
天狗岩登山口[9:00]→おこもり岩[9:40]→天狗岩頂上・展望台[9:50]→シラケ山[10:23]→マル[11:20]→[11:30]烏帽子岳[12:15]→岩峰分岐点[12:35]→道マチガイ→天狗岩登山口[14:35]
登山道の新緑 今日は檜沢岳に続いてヤシオツツジを見るために天狗岩から烏帽子岳をピストンすることにした。天狗岩だけあるいは烏帽子岳だけでは軽くて物足りないし、車を使ってそれぞれを最短コースで登るのもつまらない。そこでガイドブックにあった天狗岩から烏帽子岳までの痩せた岩峰のアップダウンにチャレンジすることにした。檜沢岳から塩ノ沢峠を越えてトンネルをくぐると御荷鉾スーパー林道との交差点に出る。ここから天狗岩登山口までスーパー林道より上野村の谷側の道を行く。登山口に着くとそこには10台程度の駐車場が道の反対側にあるがほぼ満杯である。1台だけ停められるスペースを見つけそこに停めた。支度をしているとその後も何台か天狗岩に来た車があったが停められず、路上となっていた。今日2つ目ということもあり疲れぬようにゆっくりとしたペースで沢沿いの道を登り始めた。
おこもり岩 天狗岩展望台 登山口からすぐに沢には鉄の橋が架かっている。木々の新緑がまぶしく、足元にはヤマエンゴクサ、イチリンソウ、?、?スミレなどの花が所狭しと咲いている。まさに春らしい花と緑の道を登っていく。沢を離れ雑木林の中を登ると前方に大きな岩とぶつかる。ここが 天狗岩とおこもり岩の分岐で、右へ岩場をまいて1,2分進むとおこもり岩とかかれった岩穴がある。中には小さな石の祠が祀られている。この岩穴の周りには今を盛りとミツバツツジが咲いて見事なものである。おこもり岩から分岐に戻り、少し登りあげると天狗岩の頂上に着く。頂上は木に囲まれていて、小さな石の祠が置かれている。そこから少し進むと鉄の橋が架けられていて、その先の岩場が展望台となっている。周りにはアカヤシオが咲いる。満開というには少し花が少ないようである。展望台は切れ立った岩場の上にあるので眺めが素晴らしい。これから行く烏帽子岳やシラケ山からマルに続く岩峰もきれいに見える。そこでは年配の女性の団体が笠丸山の花の見事さを語っていた。来年はいい時期に笠丸山に行ってみようなどと考えながら展望台で休憩した。
烏帽子岩に向かう稜線 マル手前の岩峰 天狗岩の展望台から来た道を林の中に少し下り、シラケ山方面の分岐を右に進む、小さなピークを越えて大きく登り上げるとシラケ山の頂上に出る。展望は抜群で、天狗岩の展望台を見ると人が動いている姿も分かる。このコースはガイドブックによれば踏跡もあまりなく分かりづらいとあったが標識も設置してあり、他の西上州の山より帰って分かりやすいのではないかと思われた。反対側にはこれから越えていく痩せ尾根のピークも連なり、その向こうにぴょこんと烏帽子岳も見える。どの岩峰も花がつききれいである。アカヤシオを眺めながら、こんなところを上り下りするのかと思わせるかなりのアップダウンを繰り返し、痩せた岩尾根を進むと、最後にこれまでの男性的な岩尾根とは対照的に、なだらかで丸みを帯びたマルが姿を現わす。その右には直立した岩のような烏帽子岳が見える。天狗岩からマルまでにすれ違った人は1人だけという静かな山歩きであったが、マルには仁田川ダム方面からの登山者がたくさん現れ賑やかになってきた。
烏帽子岳 マルを大きく下り烏帽子岳の基部に着く。見上げるような岩で、どこから登れるのだろうと思ったが、取り付き点からは急ではあるが簡単に頂上に達した。頂上は思ったより広かったが、予想通り満員に近い状態であった。隅のほうに腰を降ろす場所を見つけて昼食とした。さすがに眺めは抜群で、先ほどいた天狗岩方面と歩いてきた岩峰群の連なりが一望でき、反対側には、黒滝山、鹿岳方面そして花に覆われた碧岩の頂上が手に取るように見えた。ほとんどの人が仁田川ダムの方から登ってきたようで天狗岩から登って来た人はいなかった。毎年この辺りに花を見に来ているという夫婦の話によれば今年は花の付きがいまいちとのことであった。
烏帽子岳頂上 来た道を戻り始め、マルを越えて痩せ尾根の岩峰群の入り口に達したところで来たとき岩を巻いたのと違う方向に巻き道があった。木にはテープも付けられ踏み跡もしっかりしている。道方向から行って岩峰群を巻いてシラケ山に出られそうなので、好奇心にかられてこちらの道に進んでみることにした。これが間違いの始まりであった。道はしっかりしていてどんどん進んでいくことができた。途中ダム方面から登ったが帰りの道をまるで間違えたという女性とすれ違いこの道を戻れば大丈夫な旨教えてあげた。1時間ほど歩いたところで道が突然不鮮明になった。ここで戻ればよかったのだが地図と磁石で位置確認をし、藪漕ぎとなった。木の枝でメガネが壊れたり、手足は細かい傷だらけになったりして大変であった。やがて、この斜面を下って、沢に出て、沢沿いに下りれば車道に達するというところまで来た。そこで確認してみると、どうやらこの道は岩峰群を巻いているが途中から南に大きく離れていたようだった。沢から車道に出ると天狗岩登山口の駐車場から歩いて10分ぐらい南に進んだところであった。道なき道を進んだ不安でいつもよりもかなり疲れてしまった。駐車場の車はスタートしたときに比べてかなり少なくなっていた。今回は道迷いを起こしかなり疲れた。遭難をするときはこんな感じなのかもしれない。今回のことで気持ちを引き締め、安全登山を目指そうと思った。(その後インターネットで調べると道が不鮮明になる前あたりを岩峰群方向に登り上げればシラケ山頂上に出たようである。)
TOP 記録 2003 群馬百名山 群馬300山
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