吾嬬山、薬師岳 吾嬬山
群馬県東吾妻町、中之条町 吾嬬山(1,182m)、薬師岳(974m)
【登山日】 2003年 3月16日
【登山コース】
登山口[7:30]→13号鉄塔[8:05]→12号鉄塔付近林道分岐[8:20]→吾嬬山[9:15]→林道峠[10:22]→薬師岳[11:46]→12号鉄塔付近林道分岐[12:32]→登山口[11:46]
晩秋や冬、早春の高い山には雪があり、私のような素人には登るのが困難な時期には「群馬の山歩き130選」を参考に近くの低山を歩く。もう130選のうち8割近く歩いてしまいあまり残っていないいないが、この時期に歩こうと思っていたマイナーな山が一つ残っていた。それが今日登る吾嬬山・薬師岳である。(「吾嬬山」は「かづまやま」と読む)吾妻線岩島駅の裏にあるとてもマイナーな山である。その手前の岩櫃山は、いろいろなガイドブックでも紹介されているが、この山の紹介はほとんど見たことがない。「群馬の山歩き130選」を参考に登山口を目指すが日陰には雪が多く、予定より下の14号鉄塔と13号鉄塔の間の案内板からスタートする。
分岐の指導標 指導標のある登山口は、民家の裏山に通じる道といった感じで、最初の部分は事実その通りであった。雑木林の中の窪んだ道を登っていくと登山道はほぼ送電鉄塔に沿っており、巡視路と登山道が重なったり離れたりしている。13号鉄塔に出て、さらに登ると林道と交差する。ここには、吾嬬山登山口という看板がある。どうやらここがガイドブックにある登山口のようである。しかし、林道の日陰を見るとかなり雪が残っており、下からスタートしたのが正解のようであった。13号鉄塔から雑木林を抜けて、南向きの展望の良い暖かな斜面を登る。後ろを振り返ると吾妻川沿いの集落の見晴らしがいい。途中の斜面にはゴムの土留めがある階段状の道が整備されたところがあり、先ほどからの指導標ともども最近整備されたようである。やがて、12号鉄塔手前の林道に出る。ここには12号鉄塔から林道峠を通り吾嬬山へ行くコース(2.8K1時間10分)と尾根を登り吾嬬山へ行くコース(1.5K 50分)の分岐の指導標があった。林道峠は吾嬬山と薬師岳の鞍部となり吾嬬山から薬師岳に行くときに通らなければならないので左の尾根コースを行くことにした。
吾嬬山山頂 ガイドブックには尾根コースは藪漕ぎとあったので少し不安だったが、今まで来たところがだいぶ整備されてきているので大丈夫だろうと楽観して林道を進んだ。林道の途中にはしっかりとした指導標が設置されていた。それを入ると雑木林と下は笹原で道はしっかりしており、木にペンキで赤くマークが記されていた。尾根をどんどん登っていくと雪がだんだん多くなり頂上はすっぽりと雪に覆われていた。南側には吾妻川と榛名方面の景色が霞んで見える。しかし、北側の上越国境方面は白く鮮やかに見えた。山頂から急な道を下る。南向きの斜面なので雪はほとんどないが、それが返って悪い。枯葉の斜面の下は朝凍っていた霜が表面だけ解けて中は硬くつるつる滑る。幾度か転びズボンを泥だらけにしながら11号鉄塔まで降りた。すると尾根伝いに薬師岳がはっきりと見える。11号鉄塔を巻いて杉の植林を抜けると林道広場に出る。ここから少し北に林道を行くと高田山方面がきれいに見える。帰りはこの林道を12号鉄塔方面に行けばいいことを確認して薬師方面へと登り始める。
吾嬬山から見た薬師岳 林道峠から尾根伝いに薬師に向かってアップダウンを繰り返していく。途中、尾根に沿った雪の急な登りと山を巻くように行く林道の分岐があった。林道方面にテープが巻いてあり、雪の急登は滑り登り辛いのできっと同じ所に出るのだろうと楽観して林道を進んだ。林道を山を巻き反対側に出たがさらに進むと下り始め、間違っていたことに気が付いた。どうやらこの道は峠道のようである。来た道を少し戻ると先ほどの分岐からのピークを越えた辺りに近づいてきたと思った。そこで、試しに5,6m藪の斜面を尾根まで登ると登山道に出た。感は正しかったようである。後は迷うこともなく進み、頂上の薬師の祠に到着した。薬師といえば健康の神様なので自分と家族の健康を祈って手を合わせた。北には先ほど登った吾嬬山が樹木の間から見え、南には岩櫃山がごつごつとしたその姿を見せていた。ここから南に岩櫃山方面に向かう道もあるようである。
薬師岳頂上の薬師の祠 先ほど登ってきた道を戻り、林道の広場から12号鉄塔を通り、分岐まで戻った。今日は途中で大きな動物の音に驚かさて来た。まさか熊と思ったりもしたがどうやらカモシカのようであった。けれどもその姿は1度も確認できなかった。ところがここに来て、林道の脇の水場にカモシカが現れた。そっと近づき写真に収めようとしたが残念ながらこちらに気付き上に逃げてしまった。しかし、すぐ上の斜面でこちらを覗っているので写真に収めることができた。それにしてもこの山域はなんとカモシカに出会うことか。以前に登った岩櫃山、王城山どちらもカモシカに出会っているのである。来た道を戻り、最後林道を下るとなんとこんなマイナーな山のしかも平日に明らかに登山に来たと思われる大阪ナンバーの自動車が停まっているのには驚いた。前回までの秩父方面の山とはかなり味わいが違い、なかなか楽しい山歩きになった。
TOP 記録 2003
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